南鮮へのシュールなメッセージ ~ 倉庫のような部屋での事務的説明会
CSIS(戦略国際問題研究所)の副理事長、マイケル・グリーンといえば、知日派で知られる人物で、東アジアの政治外交を専門としている学者だ。彼の見解には賛同できない部分も多々あるものの、米国の政治に強い影響力を持っている人物であるのは確かであり、彼が発する言葉を軽視すべきではない。
そのグリーンが、朝鮮日報のインタビューに答えているのだが、「経済的な面では韓国の方が日本に多く依存しており、韓国が最大の被害者になる可能性がある」「韓日関係が悪くなれば、(日韓それぞれの)米国との同盟関係も悪化するだろう。米国は(もし、そうしなければならなくなったら)日本より韓国から撤退するだろう」と、かなり本質的なことを述べている。そして彼はこう言う。
トランプ大統領は韓日関係に関心を示していない。
米国が韓日間において、それも公に仲裁役をすることはほぼ不可能だ。
日本が南鮮への半導体材料の輸出管理厳格化と、ホワイト国からの除外という方針を示したことで、困り果てた青瓦台は、役人を米国に派遣している。お家芸の告げ口外交で、米国に仲裁を依頼する魂胆だろう。彼らは、表立って日本と争うことで、自国の不都合な事実や実態が国際社会に広まるより、二国間の問題を政治的に解決したいと考えている。米国が仲裁に入れば、南鮮にはダメージコントロールに希望が生まれ、日本は妥協を余儀なくされるだろう。主眼は、水面下での交渉であるとみていい。
ところが、南鮮にとって、米国の回答は満足いくものではなかったようだ。訪米中の青瓦台の役人は、米国での交渉の後に記者段に対し、「米国は両同盟国(日韓)が協力し、建設的に解決することが望ましいと話した」とコメントしたが、米国の仲裁などに関する具体的な議論があったかどうかについては「コメントしない」と言及を避けた。時を同じくして、外相の康京和がポンペオ国務長官と電話会談し、日本の輸出規制について「アメリカの企業などにも否定的な影響を及ぼしかねない」と告げ口したが、ポンペオ氏は日本の措置を特に問題視しなかったという。
南鮮は、日本による措置発表以来初となる実務協議を行うため、貿易・通商関係の役人を日本に派遣した。だが、出迎えた日本側の対応を「冷遇」だと、別の批判が噴出しているようだ。
倉庫のような会議室であいさつもせず 輸出規制巡る韓日初会合 (聯合)
【東京聯合ニュース】日本が韓国に対する輸出規制を強化したことを巡り、韓国産業通商資源部と日本の経済産業省が12日に開いた実務協議では、日本政府の韓国に対する意図的な「冷遇」ぶりが目についた。
ホワイトボード1台を背景に、事務用机2台と椅子が置かれた部屋の片隅にはパイプ椅子が積み上げられ、移動式の机が重ねられているなど、会議室というよりは倉庫に近い空間だった。床にはコードが這い、あちこちに破損した椅子や机の破片が散らばっていた。
出席者の背後のホワイトボードには、「輸出管理に関する事務的説明会」と日本語で印刷した紙が貼られていた。韓国が主張した「協議」の席ではなく、単に自らの報復措置を韓国に説明する席だということを強調したものだ。
この紙が貼られたホワイトボードには「1031号用ボード」と青い文字で書かれており、日本側の誠意に欠ける態度が表れていた。両国の出席者が座る机には名札もなかった。
平素から「おもてなし」を強調している日本が今回の協議でどれほど冷遇に徹していたかは、韓国の出席者が到着した瞬間からはっきりと見て取れた。(以上、抜粋)
この期に及んで「おもてなし」を期待しているとは恐れ入る。なるほど、日本側の演出は、極めて事務的だ。ホワイトボードには「事務的説明会」とのタイトルが貼られ、これが協議ではなくあくまで説明する場であることをアピールしている。倉庫のような部屋もさることながら、日本側の役人は南鮮側の出席者に握手を求めることも、名刺を差し出すこともなかったというから、誰かが振り付けしているとしか思えない。絵を見れば、南鮮側も日本側の意図を正確に把握するだろう。さしずめ、「先ずはすべきことをしてから、出直せ」ということではないか。倉庫のような部屋やホワイトボードは、そのシュールな演出の小道具である。
WTOやら日米やらを相手に、こういう交渉をしているその瞬間にも、半導体材料の在庫は細っていく。南鮮に残された時間は少ない。まったく、愚かな政治家を選ぶと国民が不幸になるというのは、日本の民主党政権にも、南鮮の文在寅政権にも見事に当てはまる定義である。
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