私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
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「せがれ、ご覧、あの日本人の兵隊さんを。」

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 3.11を期に涙もろくなったなぁと感じることが多いのだが、いくら涙もろくなっても、国会答弁でそういう状況になることは滅多にない。国会答弁というのは、「国会答弁みたいな言い方するな」などというように、本音をさらけ出さず、言葉を選びながら無難な対応をすること揶揄するようなことが多く、感動とは縁遠いものである。しかし、今月13日に、中山恭子先生の質問に答えた麻生副総理の答弁には、鼻の奥がツーンとするような感覚を覚えた。12日のエントリーに書いたナヴォイ劇場の件である。

 恐らくこのやり取りについては、事前の質問通告がなかったと思われる。指名で発言を求められた麻生副総理は、中山恭子先生の質問の意図を、目を瞑りながら探ろうとしているようだった。そもそもこの日の中山先生の質問時間は、僅か13分。質問は1分も無駄にしたくなかったはずだ。保守政治家同士の以心伝心とでもいおうか、恭子先生の意図は明確に伝わった。というより、答弁は恭子先生の想像を超えたものだったかもしれない。



5月13日 参議院予算委員会 中山恭子議員の質疑より

中山恭子委員 麻生大臣は、ウズベキスタンでは、Taro Asoと呼ばれて大変尊敬されていらっしゃいます。カザフスタンのナザルバエフ大統領にもお会いになっていらっしゃいますが、中央アジアの国々での日本人の動きについて、ひとことお話いただけませんでしょうか。

麻生副総理 カリモフという大統領がおられるんですが、1997年だったと思いますが、日本の閣僚として初めてウズベキスタンという国に行きました。大統領と接見があって、我々同友会から数十人同行されたと記憶します。

 「子供の時、毎週末、日本人捕虜収容所に連れて行かれた」。ご存知かと思いますが、45年から46年にかけて、シベリアからウズベキスタンに2万5千人捕虜が移送されております。そのことを言っておられるんだと思いますが、

「その捕虜収容所に連れて行かれた。母親が私に言った台詞は毎週末同じだった。『せがれ、ご覧、あの日本人の兵隊さんを。ロシアの兵隊が見ていなくても働く。人が見なくても働く。お前も大きくなったら、必ず人が見なくても働くような人間になれ。』 おかげで母親の言いつけを守って、今日俺は大統領になれた」。


 なかなか一緒に行った私より、もっとご年配の方が多かったもんですから、非常に感激をしておられましたけれども、これは徹底して、この人が大統領でおられたために、色んなところにこの点は徹底して、今言われたナヴォイ劇場の話だと思いますが、これはナヴォイ劇場はその捕虜が建てたものですけれども、これはウズベキスタンの大地震の時に、このナヴォイ劇場だけが倒壊しないで残った。したがって、そこには、「日本人捕虜」と書かず、「日本国民」と書き直されて、我々は捕虜にした覚えはないので、日本国民によって建ててもらったということが書いてあるんで、これはウズベキスタンという国という中央アジアの中において大勢力ですけれども、この国において、日本人が非常に定着し、日本の文化というものが広まっていった基の基はその2万5千人にのぼる捕虜収容の、捕虜収容所に入れられた方々のひとりひとりのご努力の結果、今日の日本・ウズベキスタン関係、出来上がった基礎は、そこにあると、私も、伺った時そう思いました。

中山恭子委員 ありがとうございます。日本の文化のすばらしさをみんなでもう一度誇りを持って過ごしていきたいと思います。委員長、大変ありがとうございます。


麻生太郎副総理

 大東亜戦争の末期、外地にいた65万人もの日本人がソ連に強制連行された。最も良く知られるのは、シベリアでの悲惨な強制労働だ。だが、中央アジアにまで連行されたことは、あまり話題にならないため、知られていない。

 ウズベキスタンに連行されたのは、麻生副総理の答弁にあるように、2万5千人だ。その拘留者の労働は、道路、工場、運河、炭鉱、発電所、学校などの建設と、多岐にわたっている。社会インフラの整備である。そして、過酷な労働、慣れない気候、十分ではない食事、危険な労働などの結果、抑留者のうち、813人もの方々がウズベキスタンで命を落としている。件のナヴォイ劇場建設には、500人の日本人拘留者が従事した。そしてこの500人のうち、約60人が命を落とした。死者が就労者の1割を超すほどの重労働だったわけだ。

 しかし、このような悲惨な環境においても、私たちの祖先は手を抜くことをしなかった。ナヴォイ劇場の工期は約2年と言われている。その2年間、如何に理不尽な労働であろうとも、彼等は日本人としての矜持を失わなかったのだ。これは美談というレベルを遥かに超えた、「偉人伝」である。

 当時のウズベキスタンは、勿論ソ連の一部である。日露戦争で戦い、そして自国を破った日本人に対する感情は、普通に考えても良かったとは思えない。だが、その日本人拘留者たちのひたむきな努力が、カリモフ大統領の母親の心に訴えかけたのだろう。今年、恵隆之介氏の「海の武士道」が、山形県教育委員会に採用され、道徳教育用の指導教本に掲載された。この“タシケントの奇跡”も、是非とも教育現場で採用され、子供たちに学んで欲しい事例である。ついでに言えば、メディアも支那や朝鮮の雑音ばかり報道せずに、こういう先人たちの遺したものを伝えてほしい。

 最後にひとつ。中山恭子先生のFacebookで、ある方の書き込みに感動させられた。その方がウズベキスタンに旅行に行かれ、首都タシケントの観光でナヴォイ劇場を見学した際、現地のガイドが「ここで亡くなった抑留者の墓が近年新しく整備されました。それは前の大使の中山さんが尽力されたものです」という話をされたそうだ。前の大使の中山さんとは、元在ウズベキスタン特命全権大使、中山恭子氏その人であろう。維新の会のお家騒動は続くが、この方だけは絶対に落選させてはならないと、強く思うのである。

中山恭子先生
中山恭子先生




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[ 2013/05/21 07:31 ] 史観 | TB(0) | CM(5)
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[ 2013/05/21 17:11 ] [ 編集 ]
偉大なる先人に敬意を表します
こういう話を聞くと、明治期から戦前戦中にかけての日本人の偉大さに改めて気づかされます。
長い間、敗戦までの日本人はおかしくなっていたと思い込んでいた自分自身が恥ずかしくなります。

その原因はマスコミや文化人、政治家等々にもあるのでしょうが、他のせいばかりにしていても仕方がありません。
これだけネットの普及で情報伝達が進化した今だからこそ、自分自身で情報の評価と取捨選択をしていくことが極めて重要ですね。

私の知り合いに戦中までを「狂気の時代」と言った人がいますが、実際には捏造された歴史を信じ、誇り高い先祖の事績に目をつぶり、結果的に祖国への誇りと愛情をなくしたか、少なくともわずかしか持てない現代こそが実は「狂気の時代」そのものなのではないかとつくづく思っています。

少しでも日本を良くするために、できることは小さいことでも実践していこうと思います。

そういう意味でも、ブログ主様の日々の更新に敬意を表します。これからも頑張ってください。応援しています。
[ 2013/05/21 17:34 ] [ 編集 ]
No title
また涙でPC画面が見にくいです。
[ 2013/05/21 18:28 ] [ 編集 ]
紹介していただきありがとうございます。
先人達がいかに偉大であったのか知り、嬉しいと共に誇りを持ちたいと思います。
[ 2015/10/30 22:18 ] [ 編集 ]
ナボナ劇場
日本兵が建てたタシケントのナボナ劇場は修復が終わって、今回総理が観劇をされたそうですね。

去年の冬に家人が参った時には修復中で内部の見学はできなかったのですが、日本兵の建築工事は堅固なもので本体はしっかりしていたそうです。
混成召集兵なので建築が本職という人達ではないのに、素手で全てを建て飾りの彫りまでの、全くの日本人手造り劇場です。

ウズベキスタン各地の収容所のあった街には整備された日本人墓地が清浄に管理されていて、それも地元の人が自発的に掃除などをして下さっているそうです。
恭子先生の御尽力で墓地にも街にも桜が植えられて居り、先生への信頼度は非常なもので、特にタシケントでは大人気と申して居りました。

「日本博物館」もあって、それは一民間人が自宅を使って写真や日本将兵が使った物などを展示されていたと。
[ 2015/10/31 01:33 ] [ 編集 ]
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