私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
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憲法改正議論における、日本維新の会の“危うさ”

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衆院憲法審査会で、占領憲法第5章が議論され、首相公選制の導入が取り上げられた。日本維新とみんなの党が導入を主張し、自民、公明、共産、生活が反対だった。さて、僅か100日前まで政権を保持していた民主党はというと、だんまりを決め込んだそうである。
こんな政党が3年3ヶ月も政権与党に居座っていたことについては、今考えても背筋が寒くなる思いだ。政党としての意思表示が明確にできないのなら、彼等は政党ではなく、単なる“政党もどき”である。そこの保守系議員がいようが関係ない。世の保守派には、長島昭久や松原仁、渡辺周などを保守系と呼び、民主党の中にも良心が存在するという人がいるが、こんな党に属しているという事実だけで、保守を語る資格などないと思うのだ。そういう幻想を抱いている人がいるなら、あの野田佳彦がかつて保守だと言われていた現実を思い出すと良い。

憲法は永年にわたり、マスメディアが忌避した政治イシューである。
先日、江藤淳の「憲法破壊」という論文を読んでいて、この忌避が如実に出ている一文を見つけた。

 一昨年の春ごろでしたか、ある有力新聞の最高幹部に、ある席で、「君たちは現行憲法のいろいろな矛盾を知っていながら、それをなぜ率直に紙面で論じようとしないのだ。なぜ憲法をタブー事項にするのだ。私は自分の著書のなかで細かくこの由来を検討し公にしたが、君たちが知っていながらやらないのは何故なのだ」と質したところ、「ウーン、それはできない。分かってくださいよ」という。「ただし、有力政党や政府が改憲を唱え出した場合、それを報道するというかたちでなら、いくらでもできる。だから政治家が音頭をとってくれるのを待っているのだ」と、こういう説明をした。

江藤淳 「憲法破壊」 / 「大空白の時代」に収録


この論文は1993年にVOICEに寄稿されたものだから、この大新聞の最高幹部の発言があったのは、1990年代初頭ということになる。ちなみにこの“有力新聞”がどこの社であるかは定かではない。読売かとも思ったが、渡辺恒夫は江藤より年上だから、江藤が「君たち」と呼ぶことは無いだろう。
ともあれ、当時のメディアとは、所詮この程度だったのだ。

憲法議論をタブー化し、報道素材として取り上げないことなどは言うに及ばず、その議論の発端を一方的に政治家の側に委ね、あくまで受動的にしか動かないとするなら、報道する側の人間は例外なく、筆を折るべきだった。
だが、この文章でもうひとつ分かることがあって、それは政治家自身も憲法の政治問題化を敬遠し、俎上に乗せようとしなかったことである。

そのような時代のことを知れば、現下の、憲法論議が公に、かつ定例で行われる現状を考えれば、隔世の念がある。政界は、改憲派と護憲派にくっきりと色分けされつつある。玉虫色なのは民主党だけだ。
私は1日のエントリーで、維新の会の党綱領を評価し、改憲派が議会で護憲派を凌駕する数を得ることを歓迎すると書いた。だが、敢えて言わせてもらえば、維新の会そのものを肯定するつもりは今のところない。旧立ち上がれ日本の党所属議員は信頼を置ける存在だが、一方で、あの「絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶である占領憲法の改正」という文言に対する、維新幹部の党大会後の対応は、酷いなんてものじゃないのだ。

橋下徹は「占領憲法」という語句を「修飾語だ。(選挙の際には)惑わされなくてもいい」といい、松井幹事長は、「変えるか変えないかが大事。押しつけられたか押しつけられてないかは大した問題じゃない」と語っている。
「おいおい、大丈夫か」と言いたい。
恐らく党内や支持者からクレームが続出し、両氏とも火消しに走っているのだろう。だが、この綱領は機関決定した筈である。何を今さら火消しに走る必要があるのか。
日本維新の会は、しがらみのない、分かりやすい政党というのが売り文句だったはずだ。
こんな分かりにくい後片付けは、止めてほしいものだ。
とりわけ、松井幹事長には文句を言いたい。
「変えるか変えないかが大事。押しつけられたか押しつけられてないかは大した問題じゃない」というのは、どういう歴史観なのか。現行の一九四六年憲法を変えるのであれば、その出自と制定の背景を正しく理解することは重要なはずだ。そして、この憲法が制定される時の、幣原元首相の言葉を、まさか知らないわけではあるまい。

昭和21年3月5日幣原首相はいった。
「我々がこの憲法を受諾したことについては、子々孫々に至るまで非常に大きい責任がある。今国民は黙っているけれども、心の中では憤慨しているに違いない。しかし、我々はこれを受諾する以外方法はなかったのである。」
これを聞いて閣僚がみな泣いたという。


この言葉にの軽さに、日本維新の危うさがあるように思う。
松井氏の言葉では、戦後体制に対する正しい理解など生まれてこないのだ。「変えりゃあいいんだ、変えりゃあ」というのは、あまりに短絡過ぎる。そしてそのような認識と態度では、戦後体制は簡単に息を吹き返す。

目下のところ、平沼赳夫氏以下の旧立ち上がれ日本出身議員を除いて、日本維新の会は、日蓮正宗から破門された俗物集団が母体となる公明党より、幾分マシという程度である。
橋下徹は、民主党に対し、「民主党は憲法改正が必要かどうか整理しないと国民に失礼だ。『改正しなければいけない』と考える人たちとはまとまるべきだ」と語ったが、それは正論ではあるものの、自分の足元を再確認せよと言っておく。


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[ 2013/04/05 07:27 ] 政治 | TB(0) | CM(6)
削除をお願い致します
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
メールアドレスを持っておりませんので
コメント欄へ投稿いたしております。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
横山和也様による私についてのコメントの削除をお願いいたします。

理由:
公の場で、証拠もなく、
「嘘を言うのは簡単です」等、一連の発言は
私がデマを流布する人間であるとの印象を与えるものであり
人格を侮辱するものです。

法的措置も検討致しております。かしこ
[ 2013/04/05 16:22 ] [ 編集 ]
No title
維新の会の綱領を党大会で承認し、橋下氏も会場でこの憲法姿勢の党決定を滔滔と述べた筈です。
何を今更です。根性が座らない連中が政党を作ってみた見本でしょう。

この憲法綱領で政界再編成になるのでは、と石原氏は記者会見で仰っていましたが、それも一手と存じます。
ですが、その前に維新の中で意思統一をしっかり出来るのかどうか、とても疑わしいですね。

小心者様へ、 
余計なお節介でしょうけれど、管理人様のブログに投稿した方の文章を、投稿した本人の意志なくして勝手に管理人様が削除、というのは乱暴です。
ブログ上で丁々発止やりとりは私は結構な事だと思いますし、例えば嘘つき呼ばわりで無礼だとお感じなら、無礼者と返せば良いだけのこと。嘘ではないと解って貰える文章をお書きになればもっと結構だと存じます。
意に染まない他人の意見も、ご自分にそう受け取られる隙があったか、と反省されるのも今後の貴方様の肥料になると思うのですが、お腹立ちを宥める事は出来ませんか?
種々ご存じのネタをお持ちの様で、こんな事もあるんだよ、と教えて下さるのは楽しいですし、書きようで如何様にでも成ると思いますけれど。
[ 2013/04/05 18:07 ] [ 編集 ]
内容からしてお叱りは覚悟の上ですが
(掲示板をお借りします)
異端的保守派の意見をご紹介いたします。
前回記事「家族愛」も御読み下されば幸いです。

[ 2013/04/06 01:00 ] [ 編集 ]
Re: 削除をお願い致します
小心者さま、

いつもコメントありがとうございます。
返信できずにいて、すみません。何せ仕事が忙しくて、記事を書くのが精いっぱいで…。
勿論、いただいたコメントは全て読んでます。

コメントに関する削除依頼の件ですが、こはるさまから、私の考えを代弁して余りあるコメントをいただいています。
「記事の内容に直接関係ないコメント」は削除すると規定していますが、そのほかの削除要件は、管理人の主観によります。恐らく、どこのブログでも同じようなものでしょう。
荒らしなら容赦なく削除しますが、横山和也さまのコメントは、管理人が反応して、削除するようなものにはあたらないかと存じます。
[ 2013/04/06 14:24 ] [ 編集 ]
No title
GHQが憲法を押し付けたということは、国民主権や基本的人権の尊重という概念は、GHQが日本に与えてくれたものだと言うことでしょうか?国体についても、明治憲法は様々な欠陥があったと思いますが。
これを批判すると言うことが一般の日本国民にとってどういう意味を持つかは、自称保守派の人達は理解した方が良いですよ。
ひたすら保守を標榜する人達の敗戦国根性とレッテル貼りのせいで、かえって現実的な改正議論が妨げられている気がします。
[ 2013/04/08 18:41 ] [ 編集 ]
名無しさん@ニュース2ちゃんさんの…
言っていることがサッパリわからんのだが…。
誰か解説してくんないか?w
[ 2013/04/08 19:21 ] [ 編集 ]
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