私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
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ポツダム宣言に対する誤解について

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先日、保守派の論客であり思想家でもある福田恒存の書いた「当用憲法論(「日本を思ふ」に収録)」を読み返していて、頭を打たれた感覚を覚えてしまった.
この「当用憲法論」が書かれたのは昭和40年というから、今から48年も前の文章である。
タイトル通り、現行憲法について書かれたもので、憲法感について大いに勉強させられる論文だが、自分のポツダム宣言に関する認識が全く間違っていたということに対して、少なからずショックを受けたわけである。

先の大戦において、終戦に向けた具体的アクションとなったのは、我が国がポツダム宣言を受諾したことである。このポツダム宣言に関する評価は、近年、東京裁判の評価とともに、広く知られることとなった。即ち、無条件降伏ではないということだ。
ポツダム宣言の条文は、13章からなる。
Wikipediaを参照してみよう。
ポツダム宣言
  1. 吾等(合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣)は、吾等の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
  2. 3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。
  3. 世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合に、ドイツとドイツ軍が完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
  4. 日本が軍国主義者の指導を引き続き受けるかそれとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
  5. 吾等の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩しない。執行の遅れは認めない。
  6. 日本を世界征服へと導いた勢力を除去する。
  7. 第6条の新秩序が確立され戦争能力が失われたことが確認されるまでの日本国領域内諸地点の占領
  8. カイロ宣言の条項は履行されるべき。又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに吾等の決定する諸小島に限られなければならない。
  9. 日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る。
  10. 日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない。捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されること。民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除されるべきこと。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されること。
  11. 日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
  12. 日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退する。
  13. 我々は日本政府が全日本軍の無条件降伏を宣言し、かつその行動について日本国政府が示す誠意について、同政府による十分な保障が提供されることを要求する。これ以外の選択肢は、迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。

条文の1~4章までは、日本に対して「言う事を聞かないと国が滅びるぞ!」という脅しであり、その「言う事」、即ち、受諾の条件が5章以降に記載されるというかたちになっている。要するに、6~13章までに条件が書いている以上、無条件で受け入れたということにはならないのだ。
東京裁判を受諾したのではなく、東京裁判の判決を受諾したというケースと類似している。

さて、問題なのはここからだ。
このWikipediaに掲載された文章の表現は、実は、原文を忠実に訳したものではなく、簡略化された文章である。
例えば、第4条は、

日本帝国を破滅の淵に引きずりこむ非知性的な計略を持ちかつ身勝手な軍国主義的助言者に支配される状態を続けるか、あるいは日本が道理の道に従って歩むのか、その決断の時はもう来ている。


となる。
重要なのは、軍国主義的助言者という言葉だ。
原文では、self-willed militaristic advisers である。
福田恒存はこう解説する。

この第四条の「助言者」といふ言葉に一応注目して置いて頂きたい。降伏の勧告は政治権力と人民との間に楔を打込み、両者を別物として扱ふのでありますが、ここでは政治権力を更に二分し、主権者とは別に「軍国主義的助言者」といふものの存在を仮定してゐるのであります。


福田は断言する。無条件要求の要求とは、日本帝国政府に対するものではなく、単に日本の軍隊に対するものである、と。そして、それも決して日本軍の解体を求めるものではなく、第9条、第13条における、占領軍が駐留する場合の安全保障と、第10条、第12条のための必要な措置としてしか考えられていなかった、と主張する。
少なくとも、第10条で「民主主義的傾向の復活」とあるように、米英支は、日本が君主制においても戦前から民主主義国家であったことを認めている。そして、戦時中、軍閥によって抑圧されたその「民主主義的傾向」をふたたび「復活強化」させようとしただけだということである。

日本にとって悲劇だったのは、戦後、GHQの検閲ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム等々の占領政策によって、ポツダム宣言の趣旨が正しく伝承されるどころか、逆に歪められたことだ。それを後押ししたのが、戦後の進歩陣営である。

ともすれば、日本はポツダム宣言によって骨抜きにされたと捉えてしまいがちだが、ポツダム宣言は戦争の条件を記した有条件降伏文書である。しかもその矛先は、日本政府というより、軍国主義的助言者にあてられている。
どこぞの国が歴史認識と煩く言うが、私を含めた日本人自身が正しい歴史認識を身につけなければならないと、強く感じる。



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[ 2013/03/17 10:34 ] 史観 | TB(0) | CM(0)
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