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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2020年08月22日

「パワーアップした新党」という詐欺 ~ 帰ってきた民主党の綱領案は民主党時代のものと大差なし

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 立憲民主党のウエブサイトに、国民民主党との合流に向け新党の綱領案が掲載されている。改めて読んでみたのだが、観念的なことばかり書かれていて、旧民主党時代からほとんど進歩していないように思える。1998年の民主党成立時の綱領、および、2013年の海江田牧場長時代の民主党綱領と、今般の新党綱領案を比較してみよう。

 1998年の旧民主党の綱領では、こんな理念らしきものが語られていた。

●私たちのめざすもの

第1に、透明・公平・公正なルールにもとづく社会をめざします。
第2に、経済社会においては市場原理を徹底する一方で、あらゆる人々に安心・安全を保障し、公平な機会の均等を保障する、共生社会の実現をめざします。
第3に、中央集権的な政府を「市民へ・市場へ・地方へ」との視点で分権社会へ再構築し、共同参画社会をめざします。
第4に、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」という憲法の基本精神をさらに具現化します。
第5に、地球社会の一員として、自立と共生の友愛精神に基づいた国際関係を確立し、信頼される国をめざします。


 これに対し、今度の野合政党の綱領案は、下記のようになっている。

私たちのめざすもの

(ア) 立憲主義に基づく民主政治
(イ) 人権を尊重した自由な社会
(ウ) 多様性を認め合い互いに支え合う共生社会
(エ) 人を大切にした幸福を実感できる経済
(オ) 持続可能で安心できる社会保障
(カ) 危機に強く信頼できる政府


 (カ)の「危機に強く信頼できる政府」には苦笑してしまった。綱領案には「私たちは、災害や感染症などの社会的危機に際しても、確実に機能する実行力のある政府を実現します」と書いている。しかし、東日本大震災で危機対応に関する統率力のなさを示し、とりわけ放射性物質の拡散に同心円を使って国民を騙し、「直ちに影響はない」を繰り返してきた旧民主党政権の執行部がそのまま新党に流れるであろうことを考えれば、むしろ笑えないジョークとして受け止めるべきだろう。

会見する陳さん
会見する陳さん


 旧民主党の綱領には、憲法について、「真の立憲主義を確立するため、国民とともに未来志向の憲法を構想していく」との宣言が書かれていた。しかし、これは嘘っぱちだった。旧民主党での憲法の扱いは優先度が極めて低いどころか扱いもされなかった。新党の綱領案には「私たちは、立憲主義を深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行います」とある。旧民主党の綱領と新党の綱領案はほぼ同じ。これは宣言しているだけで、実践を前提とするものではないのだ。旧民主党も、その流れをくむ民進党、立民党、民民党といった政党も、自民党が呼びかける憲法議論をサボタージュし、ボイコットし続けてきた。そういう連中が「憲法議論を真摯に行います」と宣言したところで、額面通り受け止めるのはバカだ。

 安全保障についてはどうか。2013年の旧民主党の綱領はこうだった。

 日米同盟を深化させ、隣人であるアジアや太平洋地域との共生を実現し、専守防衛原則のもと自衛力を着実に整備して国民の生命・財産、領土・領海を守る。国際連合をはじめとした多国間協調の枠組みを基調に国際社会の平和と繁栄に貢献し、開かれた国益と広範な人間の安全保障を確保する。


 それが、新党の綱領案ではこうなっている。

 私たちは、国際協調と専守防衛を貫き、現実的な安全保障や外交政策を推進します。私たちは、健全な日米同盟を軸に、アジア太平洋地域とりわけ近隣諸国をはじめとする世界の国々との連携を強化します。
 私たちは、国際連合などの多国間協調の枠組みに基づき、気候変動などの地球規模の課題にも正面から向き合い、国際社会の恒久平和と繁栄に貢献します。
 私たちは、人道支援、経済連携などを推進するとともに、核兵器の廃絶をめざし、人間の安全保障を実現します。


 まず驚いたのは、今回の新党綱領案に「国民の生命・財産、領土・領海を守る」という文言が見当たらないことだ。これなくして安全保障議論など意味がない。決定的なポイントが欠落しているのだ。「専守防衛」「他国間協調」「人間の安全保障」など、言っていることにほとんど変化はない。

 立民幹事長の陳さんは記者会見で、日本維新の松井代表合流新党について「帰ってきた民主党」(のちに松井氏は、「ウルトラマンに失礼」だから発言を撤回)との指摘に対し、「全く違う。新たにパワーアップできる、新たな政党としての立ち上げだ」と強調した。陳さんは「パワーアップいした新たな政党」の根拠として綱領の刷新をあげているが、その中身を見る限り、刷新どころか、旧民主党の綱領からほとんど変わっていないのが新党の綱領案なのだ。あの政権交代の際のマニフェスト同様、ほぼ詐欺である。

 やはり彼らが作る新党なるものは、「やっぱり」なのか「そもそも」なのか「元々」なのかは別にして、旧民主党そのものなのである。

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