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アジアの巨人が逝ってしまった。李登輝元台湾総統、享年97歳。30日夜、多臓器不全のため台北市内で亡くなったという。

現在の台湾で政権を担うのは民進党だ。国民党はどちらかといえば中共寄りである。しかし、李登輝は国民党のど真ん中に居て、台湾を改革した。台湾という“国家”が、中共との微妙な駆け引きやバランス感覚の上で、民主化と経済発展を遂げることには、想像を絶する度胸を要しただろう。それを、民進党ではなく、あえて中共に近い国民党に所属しながら推進した。普通では考えられないアプローチだ。
「22歳までは日本人だった」と語る李登輝は、何度か日本を訪れている。2001年には心臓病治療の目的で倉敷を訪問したが、翌2002年に慶応義塾大学の三田祭での講演では、日本政府はビザを発給しなかった。時の総理大臣は小泉純一郎だ。2007年にも奥の細道を訪ねる目的で来日しているが、岩手県の中尊寺を訪れた際、直前に訪れた中共の仏教関係団体が圧力をかけ、中尊寺は予定された出迎えどころか、車の乗り入れまで拒否した。当時84歳の李登輝に、長い参道を歩かせた。このように、李登輝の来日には常に中共の妨害が入っていた。中共が恐れる人物だった証左だ。

2007年の来日時、李登輝は靖國神社を参拝している。日本兵として戦死し、靖國に祀られている兄を慰霊するためだ。2013年に安倍総理が靖国を参拝すると、李登輝は「国家の指導者が国家のために命を犠牲にした英霊を参拝するのは当然のこと」「政治の問題ではなく魂の問題だ」と主張している。
李登輝の援護射撃はあったが、長期政権を築いている安倍総理が、2013年を最後に靖國神社に参拝していない事実は、極めて残念なことだ。李登輝は2007年の来日時、外国人特派員協会で会見し、流暢な日本語でこう語っている。
いったい靖國神社問題というのは、何から出てきたか。こういう事情に、我々はもう少し「頭を入れて」考えなくちゃならない。靖國神社問題というのは、中国大陸やコリアにおいて自国内の問題の処理ができないが故に作り上げられたものだ。それにまた日本の政治はあまりにも弱かった。こういうことが外国の政府や人によって批判される理由はない。日本の国のために亡くなった若い人をお祀りする、これは当たり前のことだ。
李元総統のことばを引いていくと、日本に対する愛情がひしひしと伝わるものが多い。
かわいそうなのは、日本の若い人は「昔の日本は悪いことをした」と一方的に教育を受けていることです。「つまらない国に生まれたんだ」と自信を失っている。こんなバカなことはないですよ。昔は昔、今は今。どっちも大切だ。
日本はアジアのリーダーだという自信を持たなくてはならない。これからの日本は何より過去に対する否定的な態度を棄てて自信喪失から脱却することが大事です。
日本はかけがえのない友人であり師を失った。
李登輝元台湾総統のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
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