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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2020年03月11日

震災9年 ~ フクシマ50への感謝と、朝日新聞の大誤報を忘れない

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 あの東日本大震災から、今日で9年を迎える。震災9年の今日、大震災の比ではないものの、日本は武漢肺炎という国難に直面している。今日ぐらい、政争は止め、震災でお亡くなりになった方々、被災された方々と、被災地に向けて祈りたい。

 おりしも今、震災による福島第一原発事故の発生時に、発電所に留まり、大惨事を防ぐための対応業務に従事した約50名の作業員「フクシマ50」の闘いを描いた映画「Fukushma 50」が上映されている。不急の外出は自粛するようにとのことなので、私はまだこの映画を観ていない。観ていないが、この映画の原作「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」は読んだ。心揺さぶられるドキュメンタリーで、涙なしには読めないものだ。特に関東とその以北に住む者にとって、彼らは恩人だ。彼らの頑張りがなければ、首都圏を含む東日本は「住めない土地」になっていた可能性があるという。

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)


 震災は、自衛隊など、自分ではなく人のために活動する人や組織のすばらしさを再認識させた。同時に、日本の汚点と言えるものも炙り出した。時の菅直人政権は汚点のひとつだが、この政治家と政権については散々書いてきたので、このエントリーでは深堀りはしない。ただ、菅直人が当時野党だった自民党の総裁、谷垣禎一氏に大連立を持ち掛け、結果として、震災のどさくさに紛れて自分の政権の維持、延命を図ろうとしたことだけは忘れてはなるまい。結局、菅は自分のために震災を利用しようとしたのだ。

 もうひとつ、忘れてはならない汚点は、朝日新聞の大誤報、「「吉田調書」福島原発事故、吉田昌郎所長が語ったもの」である。

吉田調書


 このコンテンツは、まだ朝日新聞デジタルの中に存在する。この特集記事の冒頭には、「「吉田調書」をめぐる報道では、「命令違反で撤退」という記述などに誤りがありました。読者と東京電力の皆様に深くおわび致します。」という記述があり、“一応”は誤報を詫びている。しかし、朝日新聞デジタルの検索窓にこのページのタイトルを入れて検索をかけても、この特集記事はヒットしない。

検索されない吉田調書


 極めて不誠実ではないか。Googleでヒットするにもかかわらず、朝日新聞デジタルのサイト内検索では、あたかも自社の黒歴史を隠すように、「なきもの」にされているのだ。

 東日本大震災は、地球規模の大ニュースだった。発災後、海外のメディアも盛んに震災報道をしており、BBCなどは「フクシマ・フィフティー」を英雄視していたと記憶している。しかし、この朝日新聞の大フェイク・ニュースの影響もあり、海外の有力メディアは「パニックに陥った作業員が原発から逃走」(米紙ニューヨーク・タイムズ)などと批判的な論調で一斉に報じた(産経より引用)。前述の「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」の著者である門田隆将氏が、朝日の報道に誤りがあると指摘したが、朝日新聞は「朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損」とし、記事を掲載した週刊ポストと門田氏に対してあからさまに抗議し、訂正と謝罪が無い場合は法的措置を検討すると通告したのだ。

 結局、朝日は誤報を認め、2014年9月に謝罪会見を開き、記事を取り消したうえで謝罪した。いわれなき大誤報で名誉を奪われた吉田昌郎所長が鬼籍に入ったのは、朝日の謝罪があった年の前年、2013年7月である。木村伊量社長(当時)の「みなさまに深くおわびします 朝日新聞社 代表取締役社長 木村伊量」という謝罪文も、前述の吉田調書の特集記事と同じく、朝日新聞デジタルのサイト内検索ではヒットしない

 これが朝日新聞の実態である。彼らは人の名誉や尊厳など、なんとも思わない。誤報であるにもかかわらず、指摘した人物と発行者を、訴訟をちらつかせて脅す居丈高な姿勢と手法は、その後、モリカケ報道で朝日を批判した小川榮太郎氏と飛鳥新社に対しても行使されている。

 映画はまだ観ていないのだが、きっといい作品になっている。一人でも多くの国民が、フクシマ50の活躍を知り、彼らに感謝する機会としたい。そして、朝日の大誤報を、今一度、頭と心に刻み込みたい。



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