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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2018年11月19日

日露領土交渉への評価に必要なのは俯瞰的視点だ

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 昨日のブログに、「今回の日露会談による北方領土2島返還に対する貴殿の意見を乗せるのが何より優先スべきこと」(ママ)というコメントをいただいた。よくコメント欄や拍手コメント、メール等で「〇〇のことを書いてください」などという要請をいただくことがあるのだが、私はそういうリクエスにはあまり乗らないタイプ。こればっかりは、「書きたいことを書くのが個人ブログ」というスタンスを貫く手前、今後も大筋は変わらないと思う。

 ただ、私も北海道出身者であり、北方領土は身近な存在である。ひとたび領土が返還されるとしたら、北海道に組み込まれることになるはずで、興味がないわけがなく、「興味ありあり」だ。今回ばかりは、リクエストにお答えし、本音を書いてみようと思う。

 私が現在まで、日露会談による領土交渉の経緯について書かなかった理由は大きく二つある。ひとつは、今回の交渉の詳細について、まだ書くほどの情報がないこと。もうひとつは、この交渉は日露だけで語るべき問題ではなく、米中などの第三国を含めた複合的な背景があると考え、その背景を自分なりに分析するのはあまりに難しすぎるからだ。

安倍総理とプーチン大統領


 まず、安倍総理とプーチンが、1956年の日ソ共同宣言を基礎とし、平和条約締結の交渉を加速させることで合意したという件。日ソ共同宣言は、サンフランシスコ講和条約にソ連が参加しなかったことで、日ソ間の終戦をどう扱うかを定めた条約である。戦争の終結と以後の相互不干渉、相互の請求権放棄を明記し、領土問題に関しては「平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する」と明記されている。

 その後、1993年に択捉、国後、色丹、歯舞の「四島の帰属」を「法と正義」の原則によって解決するとした東京宣言、2001年には「日ソ共同宣言が交渉の出発点を記した「基本的文書」としつつ、東京宣言に基づいて四島の帰属問題を解決する」としたイルクーツク声明が続き、複雑化している。掛け声だけが先行し、実態が伴っていないのだ。

 みっつの宣言、声明のうち、領土の返還を明記しているのは日ソ共同宣言のみで、東京宣言、イルクーツク声明は、ともに「帰属問題を解決する」という点に留まり、「返還」に踏み込んでいない。従って、日ソ共同宣言を基礎とすることが「後退」と断定するのは簡単だが、1965年の「返還」から1993年、2001年は「帰属」に格下げしたという見方も成り立たないわけではない。やはり、もう少し交渉の過程を見るべきではないかと思う。ただ、世論はあくまで4島返還を譲るべきではない。その路線の堅持が、日露両首脳に聞こえるよう、主張すべきであろうと思われる。

 もうひとつの理由は、外交は一対一で見るのではなく、俯瞰的に観察すべきということ。東アジア情勢には、複数のキープレーヤーが存在する。日本の他には支那、北朝鮮、そしてロシアと米国だ。現時点で南朝鮮だけが浮いている状態だが、特定の国との交渉は、その交渉が他のプレーヤーにいかなる影響を与えるかによって見るべきだ。

 日露が接近して、最も困るのはどの国か。間違いなく支那だ。支那はロシアにとって歴史的に、軍事、経済、領土の分野において脅威であり続け、両国の国力は既に大きく開いた状況だ。同じ共産主義で友人然としているものの、長すぎる国境線で紛争が起き、国力を削ぎたくないという背景があると見ている。安倍外交には、日本にとっての歴史的、また、地政学的に脅威である支那を、周辺国を巻き込むことによって封じ込めるという構図があり、ロシアと組むことはその概念から逸脱するものではない。

 北朝鮮にしても、ロシアが日本に接近すれば、後見人を一人失うことになりかねない。今回の領土交渉が、そういった周辺国との駆け引き、利害関係等を念頭に動いているのであれば、あながち間違った方向性ではないように思われる。しかし、そのロジックを解くのは、いち市井ブロガーには荷が重い。

 いずれにせよ、外交交渉を「押し切られる」と批判するのは簡単だが、それは侍に対して刀を持たずに戦ってこいというようなもので、日本の首相はスタート地点から分が悪いのだ。「領土は武力によって奪還するもの」で、その次のオプションが「武力を背景に交渉・奪還するもの」になる。

 長々と書いたが、「今回の日露会談による北方領土2島返還に対する貴殿の意見を乗せるべき」というご意見に関しては、「まだ書くほどの知識、知見がない」とお答えするしかない。


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[ 2018/11/19 07:07 ] 外交 | TB(0) | CM(16)
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