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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2018年10月24日

米下院で「チベット相互入国法案」可決 ~ 日本は米国の対中強硬姿勢を外交の奇貨とせよ

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 日本政府が、対支ODAを、今年度の新規案件を最後に終了するという。今まで約40年間もの間、我々の血税が大陸に流されていた。その額は累計で3兆円だという。遅すぎた決断と言えるだろう。日本のODAが側面支援したのは、支那の近代化だけではなく、軍事大国化だ。尖閣諸島を脅かし、東シナ海の海底資源を貪るその途上にあってさえ、支那へのODAが継続されていたこと自体が間違いなのだ。

 支那はいまや、周辺諸国の安全保障にとって、深刻な存在になった。中共が描く自国の将来像が、米国に変わる世界の覇権国家であることは疑いようがなく、彼ら自身、時間をかければそれが成就できると思っている。そんな外への意識が強い中共にとって、内紛は邪魔でしかない。当然ながら、民主化などというアイディアは、彼らの頭の中に欠片も存在していないだろう。一党独裁という国家形態そのものが、世界の覇権国家を目指すためには必要不可欠なシステムなのだ。

 その中共に対し、トランプは具体的な行動に出ている。

 トランプ米大統領は、左派系のメディアや言論人にとって、批判というより攻撃対象である。トランプは「アメリカ・ファースト」というスローガンのもと、今までの既成概念では考えられないようなことを実行する。通商問題ではその言動が顕著で、TPPからの離脱はもとより、NAFTA(北米自由貿易協定)をはじめとする国際的な枠組みも、事実上、破壊している。やり方は荒っぽいが、その演出は入念に練られたもので、ショービジネスにも通ずるものがあるとさえ感じる。そのトランプが、いま、国際社会を舞台に展開するのが、対中強硬路線だ。


 チベットは、中共にとっての多くのタブーのうちのひとつだ。ひとつとは言っても、チベット自体が重量級のタブーである。ここで行われてきた人権蹂躙、民族浄化と銘打った弾圧は、北朝鮮の粛清なんぞ可愛く感じるくらいのスケールで実行されてきた。東トルキスタンとともに、中共にとっては触れてもらいたくないイシューで、彼らはこのエリアに報道規制を敷き、「事実」が国際社会に漏れることを阻止し続けてきた。

チベット相互入国法案


 今回、米下院議会で共和、民主両党の賛同によって可決された「チベット相互入国法案」は、チベットへの自由な立ち入りを推進する法案である。同時に、この法案は、中共が米国の役人、ジャーナリストを含む米国人のチベット立ち入りを規制した場合、中共の役人の訪米を拒否することを規定している。そういう意味を込め、「相互」というワードを入れたのだろう。

 米国議会における二大政党が、下院でこの法案可決にそろって賛成した事実は、上院での可決が既定路線になったことを示している。漫画家・評論家の孫向文氏は、こう解説する。

チベット相互入国法案可決、弾圧を隠蔽してきた「中国のモラル無視」が米中貿易戦争の「外交カード」になる日(NEW'S VISION)

 この法律の概要は「中国政府は、アメリカの外交官がチベット自治区へ進入することを禁止している。それを米中の対等とし、アメリカ政府も、中国の外交官がアメリカの一部の地区に進入禁止を定めた」というもの。つまり、アメリカは”チベットの真実”を調査するために、外交カードとして中国にチベットの開放を要求したのです。(抜粋)


 外交上、力を持つ国が、その力によって弱い国を威圧し、屈服させるとしたら、それは批判の対象となる。だが、弱い国を弾圧する強い国を、より強い国が「力」を使って動かそうとすることは、その目的が正当なものである限り許容され、称賛されるべきものとなる。今回のチベット相互入国法案は、まさに正義だ。

 国際社会でこのような重要な動きがあるにもかかわらず、日本のメディアはこれを報じない。中共に忖度するメディアにとって、チベット問題やウイグル問題は無きものとして扱われ、報道しない自由が発動されるのだ。「国民の知る権利」が聞いて呆れるが、これが日本における守旧メディアの現実だ。

 日本政府も、この米国の手法を大いに参考にすべきだろう。人権蹂躙を座視するとすれば、その国は臆病国家である。米国に圧力を加えられる中共は、必ず日本にすり寄ってくる。しかし、そのようなアプローチには乗らないことだ。トランプの対中強硬姿勢は、日中関係のパラダイムを転換する機会ともなり得る。

 奇しくも来月、ダライ・ラマ14世が来日する。この一連の動きを、日本政府は最大限に利用すべきだ。


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[ 2018/10/24 07:07 ] 外交 | TB(0) | CM(6)
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