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自民党麻生太郎・副総理兼財務相が「新聞を読まない人は全部自民党(を支持している)」と挑発的に語ったのが今年6月のことだ。当然ながら「全部」という言葉は100%を意味するものではなく、新聞を読む人と読まない人の違いを際立たせるための、誇張した表現であることは言うまでもない。これに正面から反応するのは、読解力が欠如した自分を曝け出すようなものだ。
ところが、朝日新聞が遅ればせながら、この言葉を検証しようとしている。「SNS・ネットで情報入手の人、内閣支持率高め なぜ?」という記事を書いたのは、朝日の世論調査部に所属する三輪さち子で、7月に調査したデータをもとに、情報入手先であるメディアと政治意識 ~ 特に内閣支持率と政党支持率 ~ 間に相関関係を見出そうとしている。調査結果では、調査対象全体の内閣支持率が38%(不支持率43%)だった一方、SNSやネットを参考にすると答えた人の支持率は40%を超えていたという。ここで朝日は、情報を新聞から得る層とネットから得る層には、明らかな違いがあるという傾向を導き出す。
普段、ネットを頻繁に利用している層から見れば、遅すぎる分析と言える。こういう結果が出るのは、既存メディアの報道に対してリテラシーを働かせる人々には容易に想像できたことで、朝日のようなメディアの周回遅れぶりを確認するくらいしか収穫がないともいえる。

驚くべきロジックは、ここからだ。
今回の結果から、何が見えるのか。政治とメディアの問題に詳しい、東京工業大の西田亮介准教授に聞いてみました。
西田さんは、情報を得るためのコストをかけるかどうかが、内閣支持率に影響しているのではないかと指摘します。
新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけている人です。つまり社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っていると捉えられます。
一方、SNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識、関心が高いとは言えず、受動的になりがちです。
その上で、「コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいのではないか」と言います。
つまり、記事で定義するのは、こういうことだ。
- 新聞を読む人: 情報にコストをかけている分、意識が高く、積極的
- 新聞を読む人: 情報にコストを払わない分、意識が低く、流されやすい
以上の勝手な分析を捻りだした結果、朝日新聞が結論づけたかったのは、だいたい以下の3つだろう。
- 新聞を読む人のほうが正しい判断をしている
- 新聞を読まない人の政治的な判断はアテにならない
- だから、みんな新聞を読め
更に朝日は、ネットを情報源とする人々は偏っているとして、次のロジックを繰り出す。
ネット上で自分の好みのニュースだけを見聞きすることを、「選択的接触」と言います。
意見が合う人たちばかりと交流することで、自分の意見が正しいように思えてくることは「エコーチェンバー(反響室)現象」と呼ばれます。
私は以前から、安倍内閣を支持する人たちと、支持しない人たちとの間で、こうした分断が起きているのではないか、と感じていました。
ツイッターやフェイスブックは、自分と意見や価値観が似ている人をフォローしたり、「いいね」したりする方が多くなりがちです。
SNSやネットが重要な情報源になってきた今、興味がないニュースや自分と異なる意見に触れる機会が減っているのではないか。そのことは、内閣支持率に影響するのではないか。それが今回、私たちが、用意した質問の狙いでした。
今回の結果は、ある程度、その予想が当たっていたように見えます。
朝日にとって、ネット民は“井の中の蛙”だということだ。ネットという偏った情報源に頼る「情報弱者ども」による安倍内閣の支持率が高いから、安倍政権の支持率がネットで高いことも同じく偏りだというのだ。
ネットに、同じ意見を持つ人たちが群れをつくる傾向があることは確かだ。しかし、これを「朝日新聞だけに情報を頼る人々の判断は、果たして正しいのか」という逆質問に変えてみたら、かなり面白い結果が出るのではないか。ネットが偏っているという朝日だが、私のような者から見れば、朝日の偏りは、ネットの偏りとは次元が違う。ネットは権力ではないが、朝日のような巨大メディアは権力そのものだ。権力を持つ者が偏れば、世論がその偏りにある程度左右されるのは当然だ。結局、偏っている者から対極を観れば、偏っているように見えるというだけの話だ。わざわざ解説してもらうほどのことでもない。
ひとつ言えるのは、「情報にコストをかけて情報を取る、意識の高い人」がいて、その情報源が朝日新聞である場合、その人たちが積極的にかけるコストは「無駄」を強いられた上に、「朝日に洗脳されてバカになる」いうことである。
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