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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2018年10月11日

佐々淳行さん逝く ~ 日本に「国家中央情報局」設立を

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 佐々淳行さんが亡くなった。佐々さんは、初代内閣安全保障室長を務めた危機管理、安全保障のパイオニアである。ご著書は何冊も読ませていただいたが、危機管理という専門的知識が必要な分野のことを、分かり易く、また非常に知的な文章で伝えることができる、稀有な方だった。

 危機管理の第一線で長く活躍された方だから、エピソードには事欠かない。あまりにも有名なのは、現場で対処の指揮を執った昭和の大事件「あさま山荘事件」での活躍だが、後に役所広司さんが佐々さんに扮した「突入せよ! 「あさま山荘」事件」として映画化され、大ヒットとなった。東大安田講堂事件をはじめとする学園紛争の当時は警視庁警備部警備第一課長で、機動隊運用の責任者だった佐々さんは、東工大闘争委員長だった菅直人が「第四列の男」と呼ばれていたことを菅政権の当時に暴露し、少なからず話題になった。第四列とは、機動隊の検挙活動で手が届く三列目より後方という意味だ。菅はいつも四列目より後方にいて、逃げ足が速いから捕まえられないという話だった。

 中曽根内閣の当時、三原山が噴火し、火山弾と噴出した溶岩が街に迫った。島民1万人と観光客3千人が取り残された状況で、内閣安全保障室長だった佐々さんが陣頭指揮を執る。海上自衛隊、海上保安庁、警視庁や東海汽船などの総力を結集し、艦船約40隻を使っての全島民非難作戦を見事完遂した。その14年後、三宅島が噴火したとき、佐々さんは親友である石原慎太郎東京都知事に海自の輸送艦「おおすみ」の派遣を助言し、石原氏はそれを実行。加えて佐々さんは「ペットの犬を鎖につなぎっぱなしにして避難したのがテレビに映ると、動物愛護団体から抗議が来るから要注意」と石原氏に助言し、石原氏はペットどころか牛、鳥、豚などの家畜まで本土に避難させたという、阿吽の呼吸のエピソードも面白い。

佐々淳行氏


 佐々さんの存在は、世界的に知られている。防衛庁で官房長をしていたとき、「MI6(英国秘密情報部)の友人たちから、東京に行ってサッサに会えと勧められた」と言ってやってきたのが、「ジャッカルの日」等で知られる世界的ストーリーテラーのフレデリック・フォーサイスだという。なんと、フォーサイスの代表作のひとつ「第四の核」という著書で、佐々さんが実名で登場する。当時、スパイ小説に、スパイを取り締まる側の実名が出たということで、大騒ぎになったそうだ。

 支那での民主化運動が天安門事件に発展しようというとき、「デモ鎮圧の専門家だと聞いて来た」と、中共大使館の武官が訪ねてきた。佐々さんは「絶対に殺すな。人民解放軍に武器を置かせ、警棒と盾で機動隊を編成せよ。放水車と催涙ガスを使え。なかったらKCIAに頼んで売ってもらえ」と教えた。ところがそれから一ヵ月も経たないうちに、解放軍がデモ隊に突入し、大虐殺に至る。佐々さんは怒り心頭で中共大使館に怒鳴り込み、「自国民を殺して何が「人民解放軍」だ!私は職を賭して、誠心誠意教えたのだ!忠告を聞く気がないのなら、最初から私のところに来るな!今日限り絶交する!」とまくし立てた。天安門事件後、中共に対する制裁が解除されて間もない時、佐々さんは支那へ公賓待遇で招かれることになる。そこで治安警備を説き、後にチャイニーズ版機動隊ができたというのだから、スケールがデカい。

 興味深いエピソードは限りなくあるので、「インテリジェンスのない国家は亡びる―国家中央情報局を設置せよ!」という名著をご参照いただきたい。

 その佐々さんが、生前、力説していたのが、前述の著書のタイトルにもある通り、国家中央情報局の創設だ。かつて、米朝枠み行為によって北朝鮮にKEDOが組織されたとき、日本はその軽水炉建設費や重油の供与を、無償で要求され、米国からの相談がなかったという。佐々さんが北朝鮮担当の国務省次官補に、「なぜ日本の頭越しに事前の相談なしで勝手に決めるのか」と抗議したとき、その次官補は「日本と相談すると、数日後の新聞に漏れる。今後そういうことが絶対にないと確約せよ。そうしたら事前に相談する」と返され、ひとことも反論できなかったという。

 そういう背景で生まれたのが、反日メディアと野党が猛反対した特定秘密保護法だ。そのうえで、佐々さんはこう書いている。

 ロシアのKGBは、その紋章が「剣と盾」であったことからわかるように、諜報活動という積極的ヒューミント(人間による情報収集)という「剣」はスパイ防止法、秘密保護法という守りの「盾」の機能が伴って初めて世界のインテリジェンス・コミュニティ(情報ギルド)に仲間入りができるからなのだ。(中略)

 アメリカには「盾」としてのFBIが、イギリスにはMI5、スペシャル・ブランチがあり、そして初めてCIA、MI6(現・秘密情報部)が「剣」として機能する。ドイツも憲法擁護庁があってのゲーレンなのだ。日本にはFBIもMI5も憲法擁護庁もない。また、今からFBIも創れない。そこで今回の「国家中央情報局」には、スパイ防止法、秘密保護法という「盾」が必要なのだ。

(インテリジェンスのない国家は亡びる―国家中央情報局を設置せよ!」より)


 安倍政権により、特定秘密保護法は成立し、運用が開始されている。日本版NSAもできた。次に、スパイ天国と言われる日本に必要なのは、スパイ防止法である。

 佐々淳行さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
 

インテリジェンスのない国家は亡びる―国家中央情報局を設置せよ!
インテリジェンスのない国家は亡びる
― 国家中央情報局を設置せよ!



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