私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2018年06月13日

“交渉開始”以外に成果が見えなかった米朝首脳会談

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 マイク・ポンペイオ国務長官のツイートでは、北朝鮮との対話の後、「Just spoke with FM Kono & FM Kang...」とある。朝鮮半島の問題を議論するために金正恩一行と会談したのだから、「康京和外相と河野外相と」という順番になるはずだが、何故か河野外相が先に言及されている。米朝会談の報告を、南鮮より先に日本に報告したとすれば、南鮮にとっては侮辱ともとれるだろう。同時に、「日本蚊帳の外論」を公衆の面前で指摘していた者たちは、どういう反応を示すのか。

 米朝対話のお膳立てをしたと自負する文在寅だが、シンガポールの模様はテレビ観戦となったようだ。閣僚と一緒に、ソウルでのパブリックビューイングである。早くから、米朝会談の直後に米国と南北朝鮮の三者会談を企画し、全世界が注目する米朝会談への合流を企画していた文。会談が成功裏に終わった際は、そのお裾分けをもらおうとしていたそうだが、そんな文のシンガポール入りはトランプ大統領によって拒絶されたという。米国サイドは青瓦台に対して「深く入り込まないでほしい」と要請したというが、早い話が「邪魔するな」ということである。結局のところ、南鮮は信用されていないのである。

 6月12日は、北朝鮮に拉致されていた米国人、オットー・ワームビア氏が釈放された日である。この日取りにその辺の意図があったかどうかは不明だが、とにもかくにも初の米朝首脳会談が開催された。余裕のトランプに緊張が手に取るように見える金正恩。トランプが会談中止を宣言し、金正恩が泣きついたこれまでの経緯を含め、会談の主導権は米国が握っていたはずだ。ところが、出てきた共同声明は中身が非常に薄く、玉虫色の内容である。

米朝首脳会談


 最も注目された非核化については、米国の一貫した戦略であったCVID(「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」)という文言は含まれなかった。

トランプ大統領とキム委員長は、2018年6月12日に、シンガポールで、史上初めてとなる歴史的なサミットを開催した。トランプ大統領とキム委員長は、新たな米朝関係や、朝鮮半島における永続的で安定した平和の体制を構築するため、包括的で深く誠実に協議を行った。トランプ大統領は北朝鮮に体制の保証を提供する約束をし、キム委員長は朝鮮半島の完全な非核化について断固として揺るがない決意を確認した。

新たな米朝関係の構築が朝鮮半島のみならず、世界の平和と繁栄に貢献することを信じ、また、両国の信頼関係の構築によって、朝鮮半島の非核化を進めることができることを認識し、トランプ大統領とキム委員長は以下の通り、宣言する。


 冒頭で、「朝鮮半島の非核化」という文言が2度出て来る。「北朝鮮の非核化」ではなく、「朝鮮半島の非核化」が念押しされたかたちで、これは北朝鮮側の一貫した主張を踏襲したかたちになる。トランプは北朝鮮の体制を保証すると宣言しているが、それを履行する前提となる明確な条件は提示されていない。

1・アメリカと北朝鮮は、平和と繁栄に向けた両国国民の願いに基づいて、新しい関係を樹立するために取り組んでいくことを約束する。

2・アメリカと北朝鮮は、朝鮮半島に、永続的で安定した平和の体制を構築するため、共に努力する。

3・2018年4月27日のパンムンジョム宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことを約束する。

4・アメリカと北朝鮮は、朝鮮戦争中の捕虜や・行方不明の兵士の遺骨の回収に取り組むとともに、すでに身元が判明したものについては、返還することを約束する。


 北朝鮮の非核化の主語は「北朝鮮は」となっていることから、米国が必ずしも賛同したわけではないと解釈することも可能だ。しかしながら、全体を落として感じるのは、これはコミットメントではなく、「努力目標」のレベルであるということだ。声明には、「首脳会談の成果を実行に移すため、可能な限りすみやかに、アメリカのポンペイオ国務長官と北朝鮮の高官による交渉を行うことを約束した」とある。声明の具体性の無さを、ポンペイオ国務長官と北朝鮮の高官が具体化して補っていくということなのだろうが、どこまで詰められるかはいまだ謎だ。詐欺の常習犯に正攻法が通じるわけもなく、今までの米朝合意を凌駕する実質的な果実が得られるかは不透明だ。

 いまのところ、米朝が交渉のテーブルに着いたという以外、初の米朝首脳会談の意味を探すのは難しい。表に出てきた情報以外に、裏の交渉があったことを期待せざるを得ない。


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[ 2018/06/13 07:09 ] 外交 | TB(0) | CM(10)
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