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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2017年01月30日

小田原市の「保護なめんな」 ~ 「偽善」と「単純正義」が新聞を滅ぼす

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 生活保護受給者の自立支援を担当する、神奈川県小田原市職員が、「保護なめんな」、「不正を罰する」などプリントされたジャンパーを着て執務していたことが、メディアで大きく批判された。各紙が報じたが、印象深かったのは東京新聞である。

 「生活保護ジャンパー問題 小田原市に苦情900件超」 (東京新聞)

 小田原市の担当職員が生活保護受給者を威圧するようなジャンパーを十年前に製作、代々着用した問題で、市民団体の生活保護問題対策全国会議(大阪市)は二十四日、日比谷正人福祉健康部長に再発防止などを求める文書を提出した。市には九百件を超える苦情が寄せられており、市は第三者を交えて問題を検証するほか、ほかの部署を含めた職員研修を強化する方針。またホームページ(HP)の修正をするなど、信頼回復に向けた対応に追われている。 (西岡聖雄)


 冒頭、このような文章で始まる記事は、全面的に小田原市の対応に対する批判で一貫しており、不正受給の問題には一切触れていない。そして、記事の最後のほうの段落を読むと、事実がこの記事のタイトルから受ける印象とはまるで違うことに気づく。

 問題発覚後、市に寄せられた電話やメール、手紙は二十二日現在、千七百三十三件。市によると、内訳は文言やジャンパーへの批判が九百四十件。文言は不適切だが「不正を許さない気持ちは大事」といった擁護は七百六十七件あった


 よくメディアが使うトリックだ。記事では、市に寄せられた意見の総数を1,733件と伝えているので、批判的な意見である940件は、全体の54.2%だということになる。対して、職員を擁護する意見は767件なので、全体の44.2%だ。記事のタイトルは、批判的意見が圧倒的であるかのような印象を読者に植え付けるが、実際のところ、批判と擁護の差は10%しなない。これを「拮抗」と言わずして、なんと言うのか。

小田原市職員のジャンパー


 私が見る限りにおいてだが、ネットの意見は職員擁護の方が多かったように思う。生活保護は貧困ビジネスの中に組み込まれており、地位を築こうとする者によって社会的弱者が利用されるケースは数多指摘されている。共産党員が困窮者を見つけては市に連れて行き、保護を受けさせ、その困窮者を支持者として取り込む運動をしているのは、よく知られた話だ。そういった、困窮者を「救済」するのではなく「利用」するビジネスに批判的な立場をとる人が、小田原市職員を擁護したのだ。

 昨日の産経で、ノンフィクション作家の門田隆将氏が、「【新聞に喝!】生活保護ジャンパー報道に違和感 「単純正義」が新聞を滅ぼす」の中でこう書いている。

 厚生労働省によれば、27年度の1年間で明らかになった生活保護の不正受給件数は、全国で実に4万4千件に達し、過去最高を記録した。不正受給者の中には、暴力団員など、さまざまな人がおり、訪問で怒鳴り散らされ、時にはケガを負うこともある。現に、小田原では、カッターで切りつけられた職員もいる。つまり、このジャンパーは、不正受給に対して敢然と立ち向かおうとする職員たちが、お互いを助け合い、気持ちを鼓舞(こぶ)するためにつくったものだろうと想像する。


 「保護なめんな」ということばに上品さは感じられないが、「苦情が多い。小田原市の対応は問題だ」などと、正義ぶった批判をするなら、生活保護の不正受給問題も同時に掘り下げるのが、メディアの役割ではないのか。この点について、門田氏はこう書く。

 膨張する社会保障費は、今や32兆円を超え、国家予算の33%を占めている。小田原の職員たちが、生活保護制度の真の価値を実現するために頑張っていることに対して私たち納税者は拍手を送りたいと思う。

 だが、その思いは、新聞には通じない。これは〈人権侵害にあたる〉と、「単純正義」を大上段に振りかざすのだ。しかし、この問題に対してネットの反応が、ほとんど「職員よ、負けるな」というものだったことが興味深かった。「偽善」と「単純正義」が新聞を滅ぼす、とは、言い過ぎだろうか。


 メディアは公には敢然と立ち向かう姿勢を全面に出すが、生活保護を食い物にしている不正受給者や貧困ビジネスにかかわる者へは知らないふりを決め込む。一見、「正義」のように見せかけているが、実はこれは「偽善」だ。

 いつまでも主流に交われない左派メディアは、よく、少数派の意見にも耳を傾けよと主張する。しかし、小田原市へ寄せられた意見の中で、職員を擁護した45%もの人は、比較論でいえば少数だが、圧倒的少数派ではないのだ。こういう報道を改めなければ、門田氏が言うように、いつか新聞はネットに滅ぼされるだろう。


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