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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2016年12月02日

政権を取る可能性がない野党ほど楽な商売はない

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 民進党の政策集は、2014年の海江田を代表として戦った衆院選までは、マニフェストという単語が表紙を飾っていた。しかし、今年7月に行われた参院選では、その政策集の表紙にマニフェストの文字はなかった。マニフェストという呼称を封印し、宣伝誌には「民進党政策集2016」と当たり障りのないタイトルが付けられている。少なくとも2009年から2012年までの3年間、彼等のマニフェストは悪質な詐欺の象徴であり、下野したその後は、マニフェストという呼称が負の遺産であることを確認する4年間だったのである。

蓮舫


 一時ほど囁かれなくなった年明けの解散総選挙だが、与野党は現在の状況を常在戦場ととらえ、準備を進めているようだ。民進党の本質は選挙互助会であり、彼等も準備に余念がない。彼等もマニフェスト、いや公約の骨子をまとめたそうだ。以下はそのことを伝えるNHKの報道だ。

民進 大学までの教育無償化を衆院選公約に (NHK)

民進党は次の衆議院選挙の公約に、就学前教育から大学までを無償化し、その財源は所得税の配偶者控除を原則として廃止することなどで確保すると明示する方針を固めました。民進党は先月から、次の衆議院選挙で掲げる公約の柱となる政策の検討を進めていて、これまでに骨格案をまとめました。

骨格案は、安倍政権の経済政策を根本的に見直して、子どもや若者、それに女性に重点を置いた「人への投資」に転換するとしていて、幼稚園などの就学前教育の費用や、小・中学校の給食費、それに大学の入学金や授業料などを無償化することで、「教育の無償化」を実現するとしています。

そのうえで、必要となる財源として、子どもに関する施策に使いみちを限定した「子ども国債」という新たな国債発行による収入や、所得税の配偶者控除を原則として廃止することによる増収分、それに消費税率を10%に引き上げた際の1%分の税収などを明示しています。

民進党は、この骨格案を1日夕方に開く党の会合に示して了承を得たうえで、そのほかの政策についても検討を急ぐことにしています。


 民進党お得意のバラマキ政策が並ぶ。教育の無償化は彼等が民主党時代から訴え続けてきた政策だが、政権を取ったその後ですら、空振りに終わった。子ども手当の事実上の消滅とともに、この制作は消えた。党代表が母親から「月1,500万円の子ども手当」をもらっていたというオチまでつけて。

 民進党の経済政策には基本的な欠陥がある。彼等はいつも分配を叫ぶ。格差是正が彼等の合言葉であり、ことばの上では弱者の味方を標榜する。しかし、分配をする際には、当然ながら、その裏付けとなる原資が必要だ。原資を確保するためには、借金(国債等)や増税があるが、増税は消費を冷え込ませるため、日本はふたたびデフレスパイラルに頭を突っ込むことになる。国債のような借金をすれば、次の世代で返済を求められるが、目の前の選挙を勝つためにはそんな問題は先送りだ。そもそも、分配の原資を作りだす経済の成長戦略が、彼等の政策には全くと言って良いほどないのだ。

 民進党は、教育の無償化を含む将来世代への投資を掲げる。しかし一方で、昨日のブログで書いたとおり、将来世代に渡って年金精度を維持する年金制度改革法案は「年金カット法案」とレッテルを張り、猛反対する。やっていることが矛盾だらけなのだが、これも反自民という御旗のもとに集まった烏合の衆のには呵責とはならない。

 野党とは楽な稼業である。せいぜい10%前後(直近の時事通信では5.9%)しか支持率がない民進党が、自分たちの公約集に書いた政策を実現する機会を得られる確率はいかほどか?間違いなくゼロである。従って、不可能なことを書いても、実現を求められることはない。政権担当時のように咎められることもない。公約集には何でもかんでも書きたい放題なのである。彼らの目的は政権を取ることではなく、政府与党に「庶民の敵」というレッテルをはることによって転がり込む議席なのだ。

 この教育の無償化に、国籍条項の縛りがあるか ―― とりわけ、朝鮮学校の無償化が含まれるかどうかは注目だ。


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