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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2015年12月29日

慰安婦問題の最終決着 ~ 政府の譲歩に合意性はあるか

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 安倍総理が靖國神社を参拝したのが、一昨年暮れの12月26日。今年の年の瀬にも何かが起こりそうだと思えた今回の岸田訪韓は、日本と南鮮間に横たわる慰安婦問題の「最終解決」で決着した。様々な意見はあるだろうが、努めて冷静に考えてみたい。

 まず、私はこの決着を支持しない。日本政府の最大の関心事は、これを以て「慰安婦問題は最終的に解決した」という、南鮮側の確約である。安倍総理は戦後70年談話で、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と語った。今回の合意は、安倍総理の言葉を借りれば、「その決意を実行に移すため」のものだった。官邸はその言葉を現実のものとするため、南鮮に対するかなり大きな、そして禍根を残す譲歩をしたように見受けられる。

「慰安婦」日韓合意


 かねてよりの報道によれば、今回の交渉で日本側が南鮮に交渉の前提として提示したのは、
  • 総理の直筆のお詫び文
  • 「アジア女性基金」に次ぐ新たな基金の設置
  • 在韓日本大使館前や米国各都市に設置された慰安婦碑の撤去
  • 南鮮側の問題蒸し返しを禁止する「最終決着」の手形
だった。

 ところが、両外相の会見を見ていくと、日本側がお詫びと金を確約しながら、「慰安婦碑の撤去」は南鮮側の確約ではなく“努力目標”に変わった。「努力目標」は外交上の拘束力を意味しない。青瓦台が「努力した。でもダメだった」と言えば、そこで終わりである。かつ、問題なのは、最終解決の前提に、日本側の措置が実施されることが前提になっていることだ。

 韓国政府が設立する財団に日本政府が予算を拠出することについて、韓国政府は日本側が措置を着実に実施することを前提とし、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と明らかにした。日本政府の予算拠出を前提に「解決された」ではなく「解決される」としたが、事実上、慰安婦問題の最終解決を確認したものといえる。(朝鮮日報より引用)


 日本政府の予算拠出とは、自称慰安婦に対する日本の国家予算の割り当てである。岸田外相はこの予算措置について「国家賠償ではない」と強調したというが、南鮮側は国民に対してそんな説明をするわけがない。事実上の失敗に終わった「アジア女性基金」が民間の金集めだったが、今回の措置は国家予算への昇格である。対外的には、「日本が責任を認め、賠償」という宣伝に使われるのがオチだろう。

 過去には、野田佳彦と李明博の間で合意の寸前までいった「佐々江案」というものがあった。南鮮メディアの受け売りになるが、この佐々江案の内容は、下記のようなものだったとされる。

  1. 日本の首相が公式に謝罪する
  2. 慰安婦被害者に人道主義名目の賠償をする
  3. 駐韓日本大使が慰安婦被害者を訪問して首相の謝罪文を読み、賠償金を渡す

 謝罪とお詫びは現実的に同義ではないが、南鮮側が佐々江案からのグレードダウンを受け入れるはずもないから、日本政府の予算拠出は「賠償金」という意味で捉えられるはずだ。加えて、会談後の共同記者会見で岸田外相が発した「日本政府は責任を痛感している」というコメントは、「政府の責任を公式に認めるのは今回が初めて」(朝鮮日報)と解釈されている。

 中央日報によれば、発言者に権威があるかどうかはさておき、2名のコメントが掲載されている。いずれも、南鮮側の恣意的な解釈といえるが、これが彼の国の立場として引き継がれていくのだと思われる。

国民大学の李元徳(イ・ウォンドク)日本学研究所長

「いわゆる『佐々江案』よりも進展した内容と思われる。明示的な法的責任はないが、総理大臣の資格でおわびし、政府が責任を痛感して、政府の資金で被害者を支援すると述べたことは内容的には法的責任の認定にともなう賠償と解釈する
余地がある


国立外交院のチョ・ヤンヒョン教授

「歴代内閣の中で最も右側にあり、歴史認識において多くの問題点を見せてきた安倍政権を相手にこのような合意を引き出したことに意味がある。これに伴い今後、日本がどんな政権になっても慰安婦問題において政策的な連続性が維持されるだろう




 ことほど左様に、すべてが南鮮側に有利な最終決着に見えなくもない。しかし、青瓦台による今後の蒸し返しを防止できることは、外交上、得るものは多い。米国は歓迎の声明を出した。日本は、米国を取り込むことによって、南鮮に太い太い釘を刺した。青瓦台は今後、この問題について国際社会で言及できなくなる。ひとたび蒸し返せば、南鮮は米国および自由・民主主義国家から総スカンを食らうことになる。南鮮世論と戦うのは、今後は日本政府ではなく、青瓦台になる。今まで、この当たり前の構図を確立できなかった日本政府及び外務省にとっては、代償は大きくとも、得るものはある。

 要するに、未来の世代に謝罪の宿命を負わせないことを担保するために、これらの譲歩をしたことに対し、日本国民が合理性を見いだせるかどうかだろう。


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