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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2015年10月28日

米軍、スプラトリー「人工島」12カイリ内を航行 ~ しかし、根本的脅威は去っていない

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 米海軍イージス駆逐艦「ラッセン」が、日本時間の27日午前に、南シナ海のスプラトリー諸島で中国が建設している人工島の12カイリ内に派遣された。「航行の自由作戦」と名付けられたこのオペレーションは予定通りに終了。人民日報系の環球時報は社説で、「中国は海空軍の準備を整え、米軍の挑発の程度に応じて必ず報復する」と宣言していたが、外務省から「中国の関係部門が法に基づき、米艦を監視し、追尾し、警告した」と談話を発表するので手一杯。米国のオペレーションに対し、事実上、国際社会にアピールできる対抗措置は何も取れなかった。

米海軍イージス駆逐艦「ラッセン」
米海軍イージス駆逐艦「ラッセン」


 「中国の核心的利益である地域に(米軍が)入った場合は、人民解放軍が必ず出撃する」とは同じ環球時報の社説だが、支那外務省の談話で言及したのは関係部門。中共当局はその部門や派遣された艦船の種類を明らかにしていないが、この岩礁とそれを取り巻く米中の行動が国際社会の耳目を集めることを嫌い、詳細な言及を避けたのかもしれない。もしくは、大した艦船を派遣できなかったのか。いずれにせよ、米国の作戦行動に対し、支那がほぼ無抵抗に近かったということだろう。

 時事通信は「米軍は引き続き派遣を繰り返す構えとみられ、南シナ海を舞台にした米中関係緊迫化は必至」と解説しているが、米国のこの手の作戦が単発であれば、支那の脅威とはならないだろう。この米国の作成行動が示す現実は、そうそう甘くない。

 現実のひとつは、東南アジアの公海における支那の領土・領海主張(主権の主張)や勝手な開発に対し、事実上、対抗措置をとれるのが米国一国であるということだ。端的に言えば、米国のプレゼンスと具体的行動がなければ、支那がこの岩礁の開発を思いとどまることはない。日本では法制度が足かせとなり、ベトナムやフィリピンの海軍力は、支那のそれに対し、圧倒的に劣る。従って、米国の継続的な展開は日本や周辺国にとって必要条件であり、外交力や財政負担を以って米軍を支援しなければならないということになる。

 もうひとつの現実は、仮に米国がこの手の作戦を継続したとしても、支那がこの岩礁基地を放棄しない限り、脅威は去らないということだ。米国は確かに作戦を展開した。しかし支那にとっては、岩礁での居座りという最後の一線を死守すれば、力による現状変更によって領土領海はモノにできるという既成事実は残るのだ。そういった点において、支那はまだ何も失っていない。

 支那の王毅外相は、「われわれは米国に対し再考を促し、やみくもに行動したり、何もないところから問題を起こさないよう求める」と発言した。「やみくもに行動するな」とは、「武力的行動を取るな」ということだろう。はっきり言って、現時点で支那は米国の敵ではない。だが、米国はもはや代理戦争を戦うほどの余裕はないし、そもそも米国世論が付いてこないだろう。軍事衝突にでも発展すれば、米中お互いにメリットはない。

 米国の行動は、遅きに失したとはいえ、評価すべきである。ただし、このオペレーションを継続的に実行したところで、当該海域における根本的脅威の除去にはならない。私は「支那の人工島からの立ち退き」を実現する策をもっているわけではないが、少なくともあの人工島を無力化する術について、米国、日本と周辺国は知恵を絞るべきだ。


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