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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2015年04月06日

日経の『「日本スゴイ」で大丈夫? 自己陶酔なら歴史も歪む』に反論する

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 日経新聞の中外時評というのは論説委員によるコラムらしいのだが、4月5日の枠に、大島三緒氏による『「日本スゴイ」で大丈夫? 自己陶酔なら歴史も歪む』という文章が掲載されている。電子版では下の(※)の部分までしか掲載されていないが、なかなかの偏向っぷりなので、(※)で止まってしまった方のために全文を引用する。

「日本スゴイ」で大丈夫? 自己陶酔なら歴史も歪む (中外時評)
論説副委員長 大島三緒

 ちまたに「日本ってすごい」の称賛があふれている。

 和食やアニメ、漫画、それに宅配便やコンビニといったサービスの数々、新幹線から炊飯器までのハイテクぶり、小学生がひとりで買い物に行ける治安の良さや街並みの清潔さ、あれもこれもすごいという。

 テレビのバラエティー番組などで頻繁にやっている「日本褒め」である。ネット空間でも盛んで、最近は関連本も多い。目立つのは外国人に褒めてもらうパターン。世界が「スゴイ」と認めている、というわけだ。(※)

 昨年末に出たムック「JAPAN CLASS それはオンリーインジャパン」は10万部を超すヒットとなった。

 ネット上のブログなどを再編集したこの本は、外国人の目を通した「日本スゴイ」のオンパレードだ。「売れて売れて。まさかこんなに売れるとは思わなかった。驚きです」と版元の東邦出版。大反響を受けて、続編を定期的に出すという。

 ちょっと前まで「ここがヘンだよ日本人」などという番組が人気だったのに、世の中もずいぶん変わったものだ。戦後70年、社会の閉塞感の裏返しか、自信回復の表れか。排外主義や偏狭なナショナリズムに通じるとすればちょっと危うい。

 長い歴史のなかでは、こうした現象はどう位置づけられるのだろう。「たとえば中世の朝鮮王朝の人々とのつきあい方を見ても、上から目線の一方で、文化への敬意を示す事例もある。それが共存するし、容易に反転もする」と東島誠・聖学院大学教授は指摘する。

 なるほど極端から極端に振れたり、自慰と自虐が同居したりする日本的心性の一端が昨今の「日本スゴイ」なのかもしれない。ただしそれも、いまの日本への自画自賛だけならまだいい。問題は、さきの戦争をめぐる「過去褒め」だろう。

 いわく「アジアの国々はあの戦争によって独立を果たしたり、そのきっかけをつかんだりした」「欧米の植民地支配から解放してくれた日本軍進攻を現地の人々は歓迎した」「日本統治時代の教育を懐かしがる老人があちこちにいる」。こんな言説が目立つようになった。

 たしかに歴史は多面的だ。「大東亜を米英の桎梏(しっこく)より解放」するとうたった大東亜共同宣言(1943年)なども、まったくの虚構とは言い切れない。占領地での軍政がインフラ整備を進めた面もあるし、現地住民と心を通わせた将兵も多かっただろう。

 しかし過去を直視すれば、それは日本にとって都合のよい部分にすぎないことがわかる。日本軍の南方作戦の大きな狙いは資源獲得だった。しかも占領地では人々にさまざまな「日本」を押しつけた。軍政が比較的うまくいったとされるインドネシアでも、おびただしい数の「ロームシャ」が徴発された。

 そんな事実に目をつむり、一面的な歴史観にとらわれてはなるまい。自己陶酔で過去を歪(ゆが)めてはなるまい。

 こういう思考から脱却するためには、さて、どうしたらいいのか。東島教授に聞くと、まず歴史をきちんと学ぶこと、そして「江湖(ごうこ)の思想」がヒントになるという。

 江湖というのは、かつて中国で禅僧が江西、湖南の師匠のあいだを往来した故事にちなむ言葉だ。日本でも歴史上、じつは「江湖」をキーワードに開かれた世界に目を向ける動きが幾度かあり、とりわけ明治期には中江兆民などが江湖放浪人と呼ばれて注目された。

 さしずめ現代なら留学でもいいし、バックパッカーの旅だっていいだろう。「外の世界をよく見れば、そこに日本への自画自賛とは違う見方があるのがわかる。自分を縛っているものからも自由にもなれるはずだ」と東島教授は説く。

 いま中国や韓国、インドなどから外へ飛びだす留学生は激増し、日本人の存在感は低下する一方だ。アジア全体で旅行熱も高まっている。「日本スゴイ」と褒められていい気持ちになっているうちに、世界が大きく変わっていきはしないか。

 「日本人の偉さの研究」。満州事変の起きた1931年に、中山忠直という人が書いた珍本がある。日本人の科学的才能は世界一だ、日本人は米を食べているから粘り強い、気候が刺激的だから日本人は利口にならざるを得ない――。気恥ずかしくなる自己愛だが、笑ってばかりもいられない。


 私はテレビをあまり見ない方だと思うけれども、確かに今のテレビは、日本を褒める外国人を取り上げる番組が多い。自虐史観に染まった番組を放送してきたテレビ局が、バラエティ部門では親日部分に進出してきている。理由は簡単だ。ウケるからである。

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YOUは何しに日本へ?(イメージ画像)


 さて、何故故に外国人による日本称賛がウケるのか。勿論、日本人自身の自意識や誇りが満たされるからという理由もあるだろう。誰でも褒められて悪い気はしない。しかし、もうひとつふたつ、理由があるように思う。

 理由のひとつは、自虐史観からの反動だと私は考える。我々日本人は、概ね、日本人は過去に過ちを犯した、周辺国に迷惑をかけたと刷り込まれてきた。学校教育もそうであったし、今でも朝日新聞やNHKなどに代表される守旧メディアは、そういった思想の刷り込みに余念がない。元々は、敗戦後に我が国を約7年に渡って占領したGHQが、「日本人は国家に誇りをもってはいけない」という大原則の下で占領政策を進め、検閲と思想弾圧、各種工作で戦後日本の国家観の基礎を作ったのだ。自虐史観は、GHQが日本人の頭脳に植えつけた代表的な思想のひとつである。

 ところが、インターネットの普及とともに守旧メディアが相対的に力を失う時代になった。多くの人たちが、学校教育や守旧メディアの一方的な情報以外のソースを持つようになったことで、今まで禁忌が解かれ、語られなかった歴史に触れることができるようになった。自虐的な国家観に対して、疑問を持つ人が多くなった。日本を本当の立ち位置を知りたいと願う人は急速に増えたのだと思う。「日本褒め」の番組は、そういうニーズに答えたひとつの例ではないか。

 もうひとつの理由は、客観性だ。日本は海に囲まれた島国であり、“ほぼ”単一民族国家である。外の客観的な声を聴きながら自己に対する評価を考察するということは、異なる地理的生い立ちや民族と比較して、より重要だということもある。このコラムでは、大学教授の言葉を借りて、「外の世界をよく見れば、そこに日本への自画自賛とは違う見方があるのがわかる」と説いているが、それも客観性であるなら、日本が好きだという外国人の声も同じ客観性である。守旧メディアは、特に歴史認識問題を語る時、「国際社会の声を聞け」と説くが、こういう「日本はいい国」というテーマに対してだけ「国際社会の声を閉ざす」のは、大いなる矛盾だ。

 この日経論説副委員長は、こういう「日本褒め」が、先の大戦前後の日本が「アジアを解放した」とか、「日本統治時代を懐かしむ老人がいる」という、「過去褒め」に転換することが悪いと言っている。「アジア解放」や「日本の統治」が、日本にとって都合のよい部分にすぎず、もっと悪の部分を見ろと主張している。乱暴な解釈を試みれば、これは「戦後体制」を頑なに守り続けよという主張だ。戦後レジームは後生大事に守るべきだと主張しているように読める。

 歴史には正と負の両面がある。最も罪深いのは、戦後メディアがその「負の部分」だけを殊更取り上げ、正の部分にはほとんど触れてこなかったことにある。国民の知る権利などと居丈高に主張する左派メディアは、国民は自分たちメディアが伝えたいことだけを知ればよいという体制を貫いて来た。それが瓦解したのが朝日新聞の慰安婦訂正記事と謝罪だと、どうして分からないのだろうか。

 もちろん、「日本スゴイ」に自己陶酔する人もいるだろう。しかし、“仕込み”が成り立たない訪日外国人が語る日本の良さには、日頃我々が触れている芸能人やTVコメンテーター以上の説得力があるのも事実だ。だから、この日経論説副委員長のコラムは、ある意味、「負け惜しみ」の文章にも思えるのである。

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