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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2015年02月09日

シリア渡航計画で旅券没収 ~ 「自由の侵害」と抗議する人のエゴイズム

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 昨日も書いた通り、政府が渡航しないように注意を呼びかけている海外の危険な地域に行って、テロや事件に巻き込まれた場合、「最終的な責任は本人にある」と答えた人は、読売の調査で8割以上に上る。メディアやTVに出る安いコメンテーターの涙ぐましい努力とは裏腹に、世論は「テロを奇貨とした政権批判」にほとんどと言ってよいほど迎合していない。2004年のイラク拉致トリオが、よい意味での学習効果を発揮しているのかもしれない。

 後藤氏の死は確かに痛ましかった。あの残虐性を目の当たりにした日本人なら、ISILに憎悪を覚えると同時に、同じような犠牲者を二度と出しなくないと思うのが当たり前だ。ところが、ひとりのカメラマンが、そういう世論に刃向かうように、シリア渡航を企て、外務省から旅券を没収されることとなった。

「渡航の自由」か「邦人保護」か 写真家の旅券返納命令 (朝日新聞)

 シリアへの渡航を計画していた新潟市の男性フリーカメラマンが外務省から旅券の返納を命じられ、男性が命令に応じて提出していたことがわかった。邦人の生命保護を理由にした返納命令は初めて。同省は過激派組織「イスラム国」による人質事件を受け、シリア全域に退避勧告を出しているが、「渡航制限」という踏み込んだ対応は論議も呼びそうだ。(以上、抜粋)

杉本祐一氏
パスポートを没収された杉本祐一氏

 この杉本氏、今回の処置に対し、「報道の自由、表現の自由、取材の自由、渡航の自由を著しく、著しく制限することではないですか」と批判している。あまりに「自由の連呼」が過ぎるので、少々調べてみた。

 講演依頼.comというサイトで、杉本氏の講演内容を紹介している。「平和問題でも、教育問題でも、「愛」と「義」を重んじた内容の講演を新潟県内外で行っております」という御自身のメッセージで、主要なテーマは「平和論」、「教育」、「国際協力」、「環境問題」であるようだ。そして、今までの実績として、講演先のリストを掲載しているのだが、そのリストは自治労、日教組系の労組、部落解放同盟など、そっち系の団体で溢れている。「自由」の連呼は、あちら側の思想的背景が影響しているのかもしれない。

 それにしても、またしても戦後民主主義の申し子のような人物が登場した。自由や権利を民にとって至上の権益であるとし、基本的人権は全てに優越すると思っているようだ。「シリアへ行くのは俺の自由だ」「憲法22条で認められた渡航の自由を行使する権利がある」とでも言いたいのだろう。

 自民党の高村副総裁は、後藤氏の行動を「蛮勇」と表現した。蛮勇とは、事の理非や是非を考えずに発揮する勇気のことである。使命感もあり、危険を顧みずに行動した結果、後藤氏の「自己責任」の枠を大きく超え、世界的な騒動になった。現下のシリアに赴くことは、第二の後藤、第二の湯川を生む可能性をはらむ。そして、仮に第二の後藤が生まれた時、後藤氏のケースと同様に、救出のために数多の人を動かし、血税が使われ、諸外国の協力を求めることとなる。言うまでもなく、「自己責任」で対処できる範囲を遥かに超えるのだ。

 ひとりの日本人の「自由」と「権利」が、そういうこと全てに対して優越すると考えるなら、それは「自由」と「権利」を楯に取ったエゴイズムでしかない。戦後民主主義というのは、「権利」や「自由」を声高らかに叫ぶ全体主義である。しかし、「権利」や「自由」は万能ではない。件のカメラマンは、「自由」を唱える前に、ご自身の判断を社会的常識に照らして検証してみるべきである。


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