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昨日書いた、米国務省のサキ報道官の安倍談話に関するコメントだが、報道官は同コメントを「言い直したい」と前置きし、「歴史問題での前向きなメッセージと戦後日本の平和への貢献を含んでおり、歓迎する」とした。明確な軌道修正である。5日のサキ発言に色めきたった南朝鮮の新聞や朝日、毎日などの在日反日メディアは、一斉に「村山談話、河野談話不滅説」を説いたが、いきなり梯子を外された格好だ。
しかし、これで一件落着とはいかないのが日米関係だ。安倍総理が靖國神社を参拝すれば「失望」を表明したのも米国である。私はこの「村山談話、河野談話踏襲要求」であるサキ発言が、案外米国の本音を表わしているのではないかと思っている。サキ報道官は発言を軌道修正したのは、「米国が日本に圧力をかけている」と見做されるのを避けるためだ。言葉の真意は「東アジアで不必要な揉め事を起こすな」という警告であり、それがいまだに米国の方針に違いないのだ。
米国は、戦後70年の今を以てしても、日本をコントロール下に置き、米国の方針に沿うように動かそうとしている。そのコントロールの対象は経済が中心のように見えるが、実は政治も巧みにコントロールされている。昨日の引いた
「断固「NO」と言える日本」から、再び江藤淳の指摘を引いてみる。
アメリカの情報操作によって日本の政治の中枢が露骨にコントロールされ始めたのは、ロッキード事件からのことです。私は金権反対で田中内閣を倒すのに一役買いはしましたが、金権政治反対ということで指弾したに過ぎない。ロッキード事件は田中内閣後の三木内閣になってから起きた。金権問題で田中内閣は潰れたが、さらにアメリカは田中というある意味で天才的な政治家の復権を封じ込める陰謀を実行しました。
政治家としての田中角栄がなそうとしていたのは日本をある意味で資源国家にしようということです。シベリアの資源開発に意欲的な姿勢を示したり、ウラニウムをカナダなどから買い付けるなど、国家存亡の必要条件であるエネルギー供給に関して、いろいろアメリカの許可を得ないで済むような日本独自の供給構造を作ろうと試みた。それはいつも日本を掌中において封じこめようとしているアメリカにとっては全く気に入らぬことでした。その結果、田中角栄は再起不能になるまで潰された。それがロッキード事件です。(中略)
このロッキード事件は田中角栄という一人の政治家を無きものにしただけでは済まず、今日の日本の政治がダイナミズムを喪失した最も大きなきっかけになりました。目に余るような対米追随、自民党内のオール主流化、浅ましいまでの体制順応などなど――。
つまりロッキード事件以降、日本の政治家はアメリカという強権の影に対してそれを自分自身に及ぶものとして恐怖を抱くようになった。
この、「日本を掌中において封じこめるアメリカ」との関係は、今もそれほど変わってはいない。江藤は、佐藤栄作首相あたりまでは日本のそれなりの独自外交を展開してきたが、「それなら」ということで田中角栄がエネルギーでの独立を目指した途端、米国の情報操作に罠にはめられたとしている。そして、田中角栄以後、日本の政治家たちはみな怖くて米国に対してものが言えなくなってしまったと記述している。
米国は日本に対し、経済で妥協を迫り、自分が孤立主義を深めるが故に、また、自国が世界の中心として位置するために作った戦後秩序を崩さないために、歴史認識における周辺国との妥協を日本に迫る。米国にとって東アジアの火種は北朝鮮一国で十分であり、日本の独自路線は米国の国益に適わないのだ。そういう意味において、サキ報道官が発した5日の「村山談話、河野談話を踏襲せよ」という、軌道修正前の発言こそが米国の本音であろうと、私は思っている。
さて、そんな日米関係のパラダイムを大転換させる最も明確な手段は、再び米国と戦を交え、勝つことである。だが、そんなことは現実的ではないし、それ以前にやるべきことではない。だから日本にとって、憲法を自分のものとし、国軍を構成し、情報機関も整備することが何よりも重要なのだ。情報工作は何も特亜相手と限ったことではない。米国が日本に対して行ったのと同じに、日本も米国にやったらよいのだ。「友好国ではあるが、属国ではないぞ」という意思表示として、これほど明確なものはない。
長らく米国による制約で創ることができなかった国産戦闘機が、「心神」という名で世に出ようとしている。三菱がつくった国産旅客機MRJも完成した。諸手をあげて賛成はしないものの、日豪共同で潜水艦開発も合意間近だという。日本は、遅い歩みではあるが、独自の道を歩こうとしている。その歩みを確かなものとするのは、やはり自主憲法の制定という、戦後の清算なのだ。
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