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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2014年12月24日

慰安婦報道に関する朝日新聞「第三者委員会」の報告書を読む

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 朝日新聞の慰安婦報道を信じて、日本が悪いことをしたと思い込み、自腹でアジア女性基金に寄付を行った人々は、朝日の吉田証言関連記事記事取り消しを聴き、どう思ったのだろう。東京都の尖閣諸島買い取り宣言を受け、「石原さんが言ってるんだから」と寄付したら、その寄付金の預かり人がいつの間にか舛添要一に変わっていた現実に、私はいまだに納得できないでいるが、とはいっても尖閣は現実であり、慰安婦報道は捏造だ。朝日の捏造に憤慨している寄付者の心情はいかばかりかと思う。

 22日、朝日新聞の慰安婦報道を検証する第三者委員会の報告書が公表された。詳報を追おうと思って、23日夜に朝日新聞デジタルのトップページを開いたが、それらしきリンクが見当たらない。しょうがなく「慰安婦」「第三者」でワード検索をしたら、「ソーシャルランキング」で発見されただけ。つまり、報告書を受けたにもかかわらず、その報道は極めて目立たなくされていた。23日の社説では当然、報告をを受けての反省と今後についてを書くと思ったのだが、23日も本日24日も肩すかしを喰らった。

朝日新聞 慰安婦報道 読者の疑問に答えます 2014年8月5日

 まだ読み込んでいないという前提を付けさせていただくが、報告書は、部分的に合点がいかないところもあるけれども、慰安婦報道における朝日新聞の歴史を詳細に検証した、非常に読み応えがあるものだ。報道に関する事実関係については、他の新聞や文献で徹底的に検証されてきたが、この報告書はその状況下における朝日新聞社内の動向について書かれている点で、一線を画すものだ。

 非常に興味深い点がいくつかある。ひとつは、この30年以上に渡る慰安婦報道の過程で、吉田という詐欺師の証言の信憑性がかなり早い段階で覆された後、この証言を用いた記事を訂正・撤回し、軌道修正を図る機会が朝日新聞には数多あったことだ。社内からも数多くの声が上がっていたことを、報告書は明確に書いている。それでもなお、朝日は記事撤回と謝罪から逃げ、逃げ場がなくなった今年8月、遂に観念した。言うまでもなく、朝日が訂正と謝罪を拒み続けてきたことで、海外の日本に対する評価は比例して堕ちて行き、多くの対日批判記事が世界に発信された。

 吉田証言に関する記事については、事実確認が全くなされておらず、吉田証言の信憑性が薄らいだ時、訂正せずフェードアウトさせるという手段を講じたことについて、報告書は朝日を痛烈に非難している。

 秦氏の研究結果発表の後、吉田証言は真偽不明であるとの心証が社内の関係部署に共有されるに至ったものとみられるが、それにもかかわらず、その後も安易に吉田氏の記事を掲載し、済州島へ取材に赴くなどの対応を講じることもないまま、吉田証言の取扱いを減らしていくという消極的な対応に終始した。これは新聞というメディアに対する読者の信頼を裏切るものであり、ジャーナリズムのあり方として非難されるべきである。(報告書 83頁)


 いまひとつは、これだけの長くに渡る問題放置、訂正もせず、謝罪もおろそかにした朝日にして、事の大きさの自覚が浅いことを、報告書が戒めている点だ。

 新聞報道は多かれ少なかれ対象とされた人、団体、社会、政治などに影響を及ぼす。このことは記者たる者十分自覚しているはずであるが、調査をすると、記者たちは日々の取材や記事作成過程において、その自覚が足りないのではないかと疑われる場面が多々見られた。他方で、筆の力を信じるあまり、自分が一つの権力を手にしているとの錯覚に陥る危険もある。

 今回の検証記事は、誤報の際に必要な謙虚さが感じられず、むしろ頭が高く上から見下ろすような印象を受けるものであった。誤った報道をしたことや、報道の与えた影響について真摯に責任を取ろうとする姿勢が感じられない者も多くいた。(報告書 86~87頁)



 この委員会の委員である岡本行夫氏は、個別意見のなかにこう書いている。

 当委員会のヒアリングを含め、何人もの朝日社員から「角度をつける」という言葉を聞いた。「事実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初めて見出しがつく」と。事実だけでは記事にならないという認識に驚いた。
 だから、出来事には朝日新聞の方向性に沿うように「角度」がつけられて報道される。慰安婦問題だけではない。原発、防衛・日米安保、集団的自衛権、秘密保護、増税、等々。


 事実を伝えるだけでは報道にならないと言うのが、朝日の記事を構成する考え方らしい。確かに、新聞社は独自のスタンスを持っていて構わない。しかし朝日新聞の場合、その独自のスタンス ―― 言い換えればイデオロギーが、事実に優越するということを、拙ブログでは何度も書いて来た。その一連のメカニズムのなかに、記者が事実に対してつける「角度」があることを、岡本氏の個別意見でつまびらかにしている。

 北岡伸一氏はもっとこっぴどい。朝日報道の傾向を「物事をもっぱら政府対人民の図式で考える」と、根本的な部分を先ず批判し、加えて「憲法9条」「安倍内閣の安全保障政策」に関する各種報道での論点のすり替えが、慰安婦報道における「強制性」のすり替えと、本質的に同じだと言うことを突いている。

 報告書は長く、ブログいちエントリーでは書ききれないので、今後も興味深い報告内容があれば、改めて書こうと思う。朝日新聞が立ち直らなくても一向に構わないのだが、撒いた種を自分で拾うことぐらいはしてもらわねば困る。この報告書を受けた朝日が、先ず何を宣言し、何を読者・国民に約束するのか、注目したい。


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