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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2014年06月08日
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AKB総選挙と首相公選制と全体主義

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 昨日テレビを付けたら、AKB総選挙というのをやっていた。雨の味の素スタジアムに7万人もの客を集め、数時間に渡ってゴールデンタイムのテレビを占領するのだから、大した人気である。私は、浦和レッズサポという共通の価値観(笑)を持つ「こじはる」をはじめ、片手で十分な数のメンバーしか名前を知らないのだけれど、ファンの方々にとってみれば、“推しメン”の順位をひとつでも上にすることは、情熱を注ぐに値するものなのだろう。何時の時代も、アイドルというのはそういう存在なのかもしれないが。

 AKB総選挙は、いわゆる人気投票である。政治の選挙に置き換えれば、直接民主主義ということになる。そして、このAKB総選挙のような直接民主主義を。政治の世界に持ち込もうとしている政党がある。首相公選制を掲げる、橋下徹率いる維新の会だ。

橋下徹

 橋下氏自身の人気に陰りが見え始めてから、この首相公選制はあまり話題にならなくなった。しかし、この首相公選制というのは、いまでも維新の基本政策(維新八策)の一番上にある統治機構改革の基本方針で、もっとも上位に位置する重要政策だ。かっこ書きで(人気投票的になることを防ぐ方法を措置)とあるけれども、その措置は具体的に書かれていない。

 西欧以外の国で、日本ほど長い議会政治の伝統を持っている国はない。日本で最初に衆議院選挙が行われたのが明治23年(1890年)。現在までに124年の歴史を持つこの日本の議会制度は、大東亜戦争中といえども一度も廃止されていない。鈴木貫太郎総理が終戦内閣を組織して真先にやったのは、臨時議会の招集である。貴族院と衆議院の支持を求め、何とか戦争を終結しようとしたのだ。

 アマチュアでもトップになれてしまう直接民主主義と、政治のプロがトップを選ぶのが代議制度だ。一院制の議論も同じだが、維新の統治機構改革というのは、「代議制度を如何に機能させていくか、如何にチェック機能を働かせるか」という議論なしに、この議会制度を一足飛びに変えようとする革命の匂いがする。

 江藤淳は、平成5年の論文で、細川護熙率いる日本新党が匂わせていた直接民主主義へ警鐘を鳴らしていた。

 直接民主主義とは姿を変えた全体主義であり、全体主義はマスコミ主義です。テレビの人気投票のような気分本位の「日替わり民主主義」は、実は巧妙に大衆を操作しようとする全体主義にすぎない。全体主義は、実際に参加していない人間に参加の幻影を与えながらこれを統合しようとするもので、そこにはチェック機能が働かない。
 結局、代議制度に基く議会政治のように、自己点検出来るシステムを持っている組織の方が、安全度の高い組織と考えざるを得ない。それをわが国は既に一世紀以上の伝統の中で培っているというのに、単なる一時の気分で壊されてたまるか、という気持ちが私にはあるのです。気分を煽ることによって、チェック機能の意味をどんどん小さくしてしまうぐらい危険なことはない。


 橋下氏にとって、首相公選制という直接民主主義とは、責任を取れる政治の実現だと言われる。彼は以前、青山繁晴氏のインタビューに答え、「最終責任を取れる存在がないのが、現在の日本の最大の問題のひとつだ」と主張している。そして、その“最終責任”に言及し、「天皇は責任を取れない」と明言している。これは、「俺こそが日本の責任を取ってやる」という自意識だと、青山氏は忖度した。

 こうなると、首相公選制の向こうにある橋下氏の理想が「脱天皇」であり、日本に共和制に近い政治制度を導入する事にあるという危惧を抱かざるを得ない。

 困ったことに、橋下氏が仕掛ける野党再編の触媒となる結いの党の江田憲司も、首相公選制を推す政治家の一人である。橋下、江田両名は、日本憲政とそのトップ選出方法に、AKBばりの人気投票制度を持ち込もうとしているのではないと思うが、ポピュリズム、全体主義の怖さを、2009年の総選挙で我々有権者は経験済みのはずだ。野党再編こそ、なにか危ういものを孕んでいると感じるのである。



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[ 2014/06/08 09:45 ] 政治 | TB(0) | CM(4)
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