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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2014年04月03日

「憲法九条にノーベル平和賞を」という有難迷惑

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 有難迷惑(ありがためいわく)という言葉がある。デジタル大辞泉によれば、「人の親切や好意が、それを受ける人にとっては、かえって迷惑となること。また、そのさま。」を意味する言葉で、善意は必ずしも人を幸せにするものではないという現実を示す。意図的な迷惑行為は言うまでもないが、有難迷惑というのは、一般的に、そのもとになるものが善意だから、別の意味で性質(たち)が悪い。個人対個人の有難迷惑なら、苦笑いを浮かべながらやり過ごすことができるが、国家を巻き添えにする有難迷惑は、苦笑いでは済まされない。

 そんな有難迷惑という言葉がぴったりのことを、在る神奈川県の主婦が行おうとしている。

9条にノーベル賞を 受賞者「日本国民」、委員会に推薦 神奈川の主婦呼びかけ (朝日新聞デジタル)

 戦争の放棄を定めた憲法9条にノーベル平和賞を――。神奈川県座間市の主婦鷹巣直美さん(37)が思いつきで始めた取り組みに共感の輪が広がり、ノルウェー・ノーベル委員会への推薦に至った。集団的自衛権の行使や改憲が議論される中、「今こそ平和憲法の大切さを世界に広めたい」と願う。

 鷹巣さんは小学2年と1歳半の子育てに追われる日々。「子どもはかわいい。戦争になったら世界中の子どもが泣く」。家は空けられないので集会やデモには参加できない。自宅でできることを考えた。

 2012年の平和賞は231件の推薦の中から欧州連合(EU)が受賞した。「欧州の平和と和解、民主主義と人権の向上に貢献した」とされた。鷹巣さんは「EUには問題もあるが、ノーベル平和賞は、理想に向かって頑張っている人たちを応援する意味もあるんだ。日本も9条の理想を実現できているとは言えないが、9条は受賞する価値がある」と考えた。

 昨年1月、インターネットで見つけたノーベル委員会に、英文で「日本国憲法、特に第9条に平和賞を授与して下さい」とメールを送信。その後も計7回送ったが、返事はなかった。

 友人にやり方を教えてもらい、5月に署名サイトを立ち上げると、5日で約1500人の署名が集まった。ノーベル委員会に送信すると、すぐに返事があり、ノミネートの条件がわかった。推薦締め切りは毎年2月1日。国会議員や大学教授、平和研究所所長、過去の受賞者らが推薦できる。受賞者は人物か団体のみ。憲法は受賞できない。

 考えた末、鷹巣さんは受賞者を「日本国民」にした。「9条を保持し、70年近く戦争をしなかった日本国民の受賞に意味がある。みんなが候補として平和を考えるきっかけになれば」

 この取り組みを相模原市の市民団体「9条の会」などに報告すると、協力者が次々現れ、8月には「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会が発足。実行委は今年2月1日までに大学教授や平和研究所長ら43人の推薦人を集めた。推薦状に2万4887人の署名も添えてノーベル委員会に送った。

 今年10月発表の際の受賞を目指しているが、何度でも挑戦するため、実行委は署名サイト(http://chn.ge/1bNX7Hb)を続けている。鷹巣さんは今、「一人ひとりの声が集まれば、世の中は変わる」と感じている。(柳沼広幸)


 如何にも朝日新聞がよだれを出して喜びそうな平和憲法キャンペーンである。この主婦が骨の髄まで平和ボケした方なのか、もしくはサヨク運動が仕立て上げた「どこにでもいる普通の主婦」を演じているのか、記事からは分からない。内容を調べるために、署名サイトとしてURLが記載されているChange.orgに飛んでみた。先ず目に入ってきたのは、文部省が占領憲法を宣伝するため、1947年に発行した「あたらしい憲法のはなし」の“戦争放棄”の挿絵である。署名にこの絵を挿入した時点で、香ばしさ満点だ。

chgorg_chap9.jpg

 既に「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会が組織され、Facebookやブログを使った宣伝に余念がない。今年1月に公表された賛同者一覧には「元教師」「九条の会」「キリスト教関係者」という肩書きの人物が名を連ね、プロパガンダ文を掲載している。

もちろん、日本国民全員が現憲法に賛成しているわけではありません。しかし、今現在も、今この時も、憲法を変えてはいません。これはひとえに、戦後、戦争への反省と平和への願いを込めて、大勢の方々が戦争の悲惨さと愚かさを語り継ぎ、祈りを込めて受け継がれてきた平和への願いがまだなお深く息づいているからだと思います。


 誰か、この段落を丁寧に解説してくれる人はいないだろうか。全く意味が分からない。「日本国民全員が現憲法に賛成しているわけではないが、憲法を変えてはいけない」と来て、次にその理由が書かれていると思いきや、単なる理想主義のプロパガンダの羅列なのだ。国語の勉強のためにブログを始めた私だって、こんな文章は書かない。

 さて、いみじくも上述のプロパガンダ文に書かれている通り、憲法については国論が二分している。3日ほど前に、産経・FNNの合同世論調査で「憲法改正の賛否が逆転 反対47%が賛成38%を上回る」というショッキングな報道があったけれど、それでも改正反対が圧倒的多数を確保しているわけではないのだ。国論が二分するイシューに対し、一方の意見に権威付けをしようとすること自体、ある種の意図的な策略を疑わないわけにはいかない。少なくとも、二分された一方の立場としては、「憲法9条を掲げる日本国民にノーベル平和賞を」などと言われても、全く有難くもなんともなく、素直に迷惑である。

 賛同者という名の支援者の顔触れ、肩書きを見る限り、護憲サヨクの署名運動、少なくともその種の運動と同質と捉えて間違いないだろう。署名が募っているのは100万筆。現時点での署名数は24,000弱だが、どうやら気長にやるようだ。

 有難迷惑の同類語には「お節介」「無用の親切」などがあるが、それらを全部ひっくるめて、この署名活動が迷惑・無用と感じる人が多いのである。仮に100万筆集まったところで、この署名が国民の総意でもなんでもない。戦後の保守論壇に多大な影響を与えた福田恒存は、「第九条の意図は飽くまで謝罪といふ消極的性格のものに過ぎぬ」と書いた。であるなら、九条を守り、礼賛する人たちは、日本国を謝罪する国家として永久に固定しようとしていることになる。そんなものにノーベル平和賞など、言語道断である。


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