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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2013年12月01日

“「価値観の押し付けはよせ」という価値観”を押し付けるメディアと教職員

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 支那による防空識別圏の問題やら特定秘密保護法案やらに隠れて、あまり大きな話題にはならないが、文部科学省が公表した「教科書改革実行プラン」に対する守旧メディアの反発が強い。「教科書改革実行プラン」は、民主党政権で骨抜きにされかかった第一次安倍政権の成果、即ち改正教育基本法の趣旨を徹底し、“教育を取り戻す”のとっかかりの政策だと私は認識しているが、守旧メディアは社説などを割いて、この政策に異を唱えている。彼等の主張は、「教科書採択基準の見直し」と「道徳の正式教科化」に対する反意の、ほぼ2本立てだ。

東京新聞 11/30社説 「心」の教育 個性が窒息してしまう
 最も憂慮されるのは、教育基本法の目標に照らして「重大な欠陥」があれば不合格にするという基準だ。目標には道徳心をはじめ公共の精神、愛国心といった国家や社会を支えるべき内心のありようが掲げられている。
 その曖昧さゆえ、運用次第では政権の目指す“正しい国家像”にそぐわない教科書は失格となる事態もあり得る。明治天皇の教育勅語が軍国主義の支柱にされた過去の教訓を忘れず、警戒したい。

毎日新聞社説 11/23 教科書検定改革 多様化の流れ止めるな
 より熟慮しなければならないことがある。教育基本法との一体性や、政府見解の明記化が教科書をつくる側の創意工夫を萎縮させ、多様化の流れにある教科書の魅力をそぐことになりはしないか。
 そして政権の関与、介入がこれを足がかりに進みはしないか、という危惧もぬぐいきれない。

朝日新聞社説 12/01 「道徳」教育―教科化にこだわるな
 今の「道徳の時間」は正式な教科ではない。教科書も成績もない。教科書がないから検定もない。教材には文科省の作った「心のノート」や民間で出版した副読本が使われている。
 道徳の授業は軽くみられ、往々にして他教科に振り替えられる。そういうことのないよう教科にしたいというが、それは運用で改善できる話である。 (中略)
 検定には成績評価と同様の危うさがある。事実関係の校正にとどまるうちはいいが、検定基準に価値観を持ち込まれたら、「この随筆で愛国心が育つのか」と突き返されるようなことも起きかねない。
 検定によって価値観の多様さが損なわれては元も子もない。


 朝日、毎日、東京など各紙は、言葉は上手く飾っているが、主張している趣旨は大差ない。ひと言で言えば、「価値観を押し付けてはならない」というもので、子どもの個性を重んじろ、教科書多様性を重んじろ、政治が教育に介入するなという美辞麗句によって、彼等は読者に対して彼等の価値観を押し付けているだけだ。

 政治が教育に介入するなというのは、明らかなミスリードである。我が国の将来を担う子供たちにどのような教育を施すべきかという問題を、政治が決めるのは当たり前のことである。方針は政治が決めるのだ。それ嫌なら、国民が政権交代させればよい。教育に対する政治のスタンスとして、最も糾弾されなければいけないのは、民主党の輿石東が言い放った「教育の政治的中立などありえない」という姿勢である。今般の「教科書改革実行プラン」が中立性を欠いているわけではない。

 もうひとつ、守旧メディアがいきり立って反対するのは、道徳教育の復活だ。反対の支柱は、「価値観の押し付けはやめろ」という価値観そのものである。かつて日教組は、「早寝早起き朝ご飯」が価値観の押し付けであり、憲法違反だと言って抵抗した。第一次安倍政権下で、岸内閣の日米安保改正、佐藤内閣の沖縄返還などと並び、戦後五大長時間審議と言われる丁寧な教育基本法改正議論が進む中、日教組や全教などの教職員は、授業をほっぽり出して国会前で座り込みを行った。この彼らの行動は、彼等教職員の価値観を生徒に押し付けることができなくなることに対する抵抗である。価値観の押し付けはよくないという主張は、結局生徒に何も教えないという主張に等しい。そこを解っているのかと問いたい。

 かつての道徳教育があったからこそ、日本は今も世界に「道徳心が高い」、「民度が高い」と評価されるのだ。東日本大震災が日本を襲った際、略奪も犯罪も起きず、支給された食糧を「もっと困っている人に」と譲る精神・行動に世界から称賛が寄せられた。家庭での躾や教育、学校での道徳教育がなくなれば、こういう日本人らしさは時を経て失われていくだろう。そうなってからでは遅いのである。

 唱歌「海」に、「海にお舟を浮かばして 行ってみたいな よその国」という歌詞がある。日教組(確か沖教祖)は、この歌詞が“侵略”を象徴する歌だと言った。こういう“価値観”こそ、教育現場から排除されるべきものではないのか。


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