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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2013年11月29日

NHKに賠償命令 ~ JAPANデビューに対する高裁の英断

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 裁判もいろいろあるが、ある会社が原告総勢一万人に訴えられるという不名誉な裁判が進行中だ。被告はNHK。2009年4月のNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー 第1回アジアの“一等国”」における差別・偏向・歪曲・捏造などの番組編集に対する訴訟である。

 「JAPANデビュー アジアの“一等国”」のことを知らない方も多いと思うので、ここで簡単におさらいしてみよう。かく言う私も録画などを取っているわけではないので、河添恵子氏が別冊正論「朝日新聞・NHKの大罪」に寄稿した『「騙された!」“反日台湾”を捏造した許されざる取材手法』からごく簡単に番組内容を点期してみる。

JAPANデビュー アジアの“一等国”

 番組のテーマは、1895年から1945年に渡って台湾を統治した時代の歴史だ。
  • 日本は「漢民族としての伝統や誇り」を持つ台湾人の武力抵抗を徹底的に弾圧
  • 日本支配に対する激しい抵抗運動が台湾全土に拡がり、後に「日台戦争」と呼ばれる
  • 台湾の先住民族パイワン族をロンドンに連れて行き、「人間動物園」として展示
  • 後藤新平が匪徒刑罰令で五年間に三千人の台湾人を処刑
  • 中国語を禁止し、日本語の使用を強制
  • 台湾の重要な輸出産業だった樟脳工場を破壊
  • 学校や職場で三等国民の台湾人をとことん差別
  • 「同化政策」のなかで台湾人の自治要求運動を弾圧
  • 皇民化運動で日本文化を強制し廟を破壊

いやはや、とんでもないネガキャン構成だ。歴史を知らない人が見れば、当然ながら、「日本人というのはこんなにも野蛮で非人道的な振る舞いをしたのか」と、自虐史観に苛まれること必須である。

 日台戦争という聞いたこともない戦争を作り出し、インフラ整備や農業改革で台湾に尽くし、台湾で最も有名になった日本人(勿論、肯定的な意味で)である後藤新平を血も涙もない処刑人に仕立てたりと、捏造のオンパレードである。親日である台湾と、日本による台湾統治の良き部分を一切消そうとした意図がはっきり見てとれる。河添氏は、「第一次大戦で戦勝国となり、一等国入りを果たしながら、「何故国際社会の中で孤立したのか?」を探るのがこのシリーズの趣旨らしい」と書いているが、まさに結論ありきの編集なのである。

 さて昨日、東京高裁において、「アジアの“一等国”」の内容がパイワン族の出演者・高許月妹さんへの名誉毀損に当たるとして、NHKに対して百万円の賠償が命じられた。高許月妹さんが訴えたのは、上にある「台湾の先住民族パイワン族をロンドンに連れて行き、「人間動物園」として展示」と言う部分の差別的な放送内容に関してだ。1910年にロンドンで開催された日英博覧会で、民族衣装を着て伝統的な踊りを紹介したのだが、NHKはこれを「人間動物園」と差別的な歪曲編集を行ったのだ。判決は至極当然である。逆に、地裁で何故NHK無罪となったのかが疑問だ。

 捏造はまだまだある。複数回取材した台湾の方に対して、二度目の取材で「一回目のときと同じ服を着てほしい」と着換えさせたこともある。当然、コメントを編集する際に好都合だったからだ。それ以外のコメントでも、ポジティブなこととネガティブなことの両方を言えば、ポジティブなコメントは一切カット。NHKには取材前から、日本を貶めるための脚本があったとしか理解しようがない。

 パイワン族の高許月妹さんが勝訴したことは大きい。一方で、視聴者の請求は棄却されたことは残念だ。だが、判決の中で「心情は理解できる」という説明があったことは有意義だと思える。

… さまざまな立場の人たちへの十分な配慮がないまま、先入観に基いて本件番組を制作し、放送してしまった被控訴人に対して損害賠償を請求したいという思いは理解できないわけではない…(判決文より)


 高裁は、法的には罰することはしないまでも、NHKの偏向放送に対して大きな楔を打ち込んだと解釈する。NHKはこのことを重大な警告として受け止めるべきだ。

 NHKが自ら定めた国内番組基準には、その前文に下記の宣言がある。

 1 世界平和の理想の実現に寄与し、人類の幸福に貢献する
 2 基本的人権を尊重し、民主主義精神の徹底を図る
 3 教養、情操、道徳による人格の向上を図り、合理的精神を養うのに役立つようにする
 4 わが国の過去のすぐれた文化の保存と新しい文化の育成・普及に貢献する
 5 公共放送としての権威と品位を保ち、公衆の期待と要望にそう


JAPANデビューは、この5項目の全てを違えている。ついでにいえば、その国内番組基準の第一条第一項の全てに違反している。

 第1章 放送番組一般の基準

 第1項 人権・人格・名誉
1 人権を守り、人格を尊重する。
2 個人や団体の名誉を傷つけたり、信用をそこなうような放送はしない。
3 職業を差別的に取り扱わない。


 こういう自らが定めた倫理を踏み躙ることも厭わないNHKの経営委員に、百田尚樹氏や長谷川三千子氏が就任した意味は大きい。NHKに出直しは無理であり、解体が適切な措置だろうと思う。今NHKに必要なのは、“壊し屋”だ。


判決文はこちらに(チャンネル桜のサイト、PDF25ページ)

別冊正論 Extra.12 (日工ムック)
別冊正論「朝日新聞・NHKの大罪」
NHKの正体―情報統制で国民に銃を向ける、報道テロリズム(OAK MOOK 293 撃論ムック)
NHKの正体


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