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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2011年11月10日
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TPP国論2分説の欺瞞

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野田首相が今日、TPP交渉参加を表明すると伝えられる。
民主党のPTが、「参加表明すべきでないとの発言が多いことを十分に踏まえた上で、慎重に判断する」ことを政府に求める提言を決定したが、結局のところ、与党民主党は結論を出すことができず、判断を首相に丸投げすることで決着した。

TPPが国論を2分しているというのは、適切な表現ではない。
官邸と大新聞がこぞって交渉参加を是とする姿勢を出す中、反対派も集会やデモを繰り返し、議論が沸騰していることは事実である。
が、毎日新聞が7日に発表した調査結果によれば、「参加すべきだ」が34%で、「参加すべきではない」が25%。両方合わせて59%であり、「わからない」と答えた人が39%にものぼるのである。
国民は、TPPが自分らの生活に少なからず影響を及ぼすことを、当然分かっている。
しかし、4割のひとが態度を決めかねるというこの実態が意味するものは、判断する材料がないということなのだ。

「交渉に参加しなければ条件がわからない」という程度の言い訳で、国民を煙に巻く現状をみれば、政治が責任を果たしているとは言い難い。
言ってみれば、国民的議論のレベルは、総論賛成、総論反対の域を出ていないのだ。
もちろん、自ら情報をかき集め、有識者の見解に耳を傾け、具体性をもって自身の判断で賛否を語るひとが、とりわけネット上に多いことは事実である。
ただ、そういう層が国民の総体を表しているとは思い難く、多くは「なんとなく」の域を脱しきれない状況ではないのか。
このTPP問題は、報道の在り方というものを改めて考える良い機会となったが、殊更農業問題を大きく取り上げ、実態を矮小化している傾向は否めない。
「私たちが食べる農作物」というある種の切迫感のなかで、TPPを語ることは勿論重要だが、自由貿易はなにも農業だけの問題ではない。

いま、韓国世論は、米韓FTAの問題で揺れている。
東亜日報は、その混迷ぶりを下記のように伝える。

FTA反対の違法デモやデマ流布者、検察が拘束捜査方針 (東亜日報)

最高検察庁・公安部(部長=任正赫検事長)は、最近広がっている韓米自由貿易協定(FTA)反対デモと関連し、違法集団行動の主導者や常習的デモ参加者に対しては、原則として拘束捜査を行うなど、厳しく対応する方針であると7日明らかにした。また、インターネットやソーシャルネットワークサービス(SNS)を利用し、虚偽事実やデマの流布に対しても、拘束捜査で臨む方針だ。
検察は同日午後3時、ソウル瑞草区瑞草洞(ソチョグ・ソチョドン)の最高検察庁庁舎で、警察庁や外交通商部、放送通信委員会の関係者らが出席する中、公安対策協議会を開き、不法的集団行動や虚偽事実を流したことに対しては、上のように対応することを決定した。まず検察は、国会議事堂に侵入したり、常習的に過激な暴力デモを行った者に対しては、拘束令状を請求する方針を決めた。また、届け出された範囲から離れ、道路などの禁止された場所でデモを行ったり、解散命令に応じない者には、現行犯逮捕で臨む方針だ。
さらに、SNSやインターネット・ポータルサイトのコミュニティなどを通じ、韓米FTA関連のデマや虚偽事実を流す違法行為者も徹底的に取り締まり、刑事処罰する方針だ。検察は最近、インターネットに出回る「韓米FTA毒素条項12に関する完璧な整理」文書や、「FTAを交わすことになれば、風邪薬が10万ウォンになる」、「米国とFTAを交わしたメキシコの当局者らが、国民により銃殺された」、「08年のろうそくデモ当時、女子大生が警察に首を絞められ死亡した」のような、根拠の無いデマを流した場合、処罰対象になると強調した。(以下略)


デマは暴力デモなどはもってのほかだが、韓国当局がある種の言論統制に向かう実態の断片として、看過できぬ問題だ。
他国のことと、楽観視してはいけない。
日本にも最近、同じような状況が起こっている。
原発事故に関してネット上に飛散する情報に対し、政府は、「東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請」なるものを総務省経由で発布した。
(リンク: 東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する要請
流言飛語(≒デマ)を、プロバイダーの責任で統制するように「要請」したものだが、この文書は当時、「言論統制だ」とネット上で大きな批判を浴びた。
このときある種の流言飛語があったのは、菅政権が情報をつまびらかに公表しなかったことが原因のひとつなのだが、政治が信用されないことを、言論統制というしっぺ返しで応酬した醜態だった。
民主党政権が自分たちに都合の悪い言論を封殺したがる傾向は、「隊員の政治的中立性の確保について」という防衛事務次官通達を出したという前例が記憶に新しい。

米韓FTAを発端とする韓国の混迷は、対岸の火事ではない。
TPP国論2分説は、現状を正確に表すことばとは理解しがたい。
政治やメディアら、情報の上流にいる者たちが、国民に対して十分な情報を出せない現状を隠蔽することばではないのか。
むしろ、現状の国論は3分されている。
その別れ方が3から2になったとき、混迷はさらに深まるのかもしれない。

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