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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2011年08月04日
月別アーカイブ  [ 2011年08月 ] 

度肝を抜かれる政治主導のはなし

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今日はコリア関連の話から一旦離れ、危機管理のはなし。

先日読了した、佐々淳行氏の「ほんとに、彼らが日本を滅ぼす」という著書。
東日本大震災のような大災害時に発揮すべきだった危機管理のエッセンスと政治の役割についての本で、非常に興味深く拝読した。
前作の「彼らが日本を滅ぼす」とともに、是非お勧めしたい書籍だ。
その中に、文字通り度肝を抜かれる政治主導のエピソードがあったので、紹介したい。
今からもう四半世紀も前の、大島三原山大噴火の際に、官邸が取った危機管理のショート・ドキュメントだ。

 昭和六一年(一九八六年)十一月二十一日、大島三原山が大噴火を起こし、流れ出た溶岩が役場所在地の元町にじりじりと迫り、その有様はテレビで実況中継された。
 当時、災害担当庁だった国土庁は、十九関連省庁を集めて緊急会議を開いたが、甲論乙駁(こうろんおっぱく)、その会議は午後11時45分まで続いた。
 官邸では、中曽根康弘総理、後藤田正晴官房長官、渡辺秀夫官房副長官、藤森昭一副長官、平沢勝栄官房長官秘書官、そして内閣安全保障室長の私の六名で国土庁の会議の推移を見守っていた。
 優れた行政官であり伊勢湾台風を三重県厚生課長として経験した藤森副長官が、
「安全保障会議を立ち上げ、『伴走』しましょう。国土庁の手に余ったら、総理指揮、官房長官、担当大臣、安保室長を事務局長とする国家危機管理体制に移行しましょう」
 という、極めて実務的な提言をした。
 溶岩はじりじりと元町に迫り、一万人の島民と三〇〇〇人の観光客は元町に犇めいて逃げ場もない有様だった。
 後藤田長官は、
「国土庁は何をしているか、このまま溶岩が元町で海中に流れ込んだ恐ろしい水蒸気爆発が起こり、一万三〇〇〇人は全滅する。何の会議をやっているのか、課題は何か、すぐきけ」
 警察庁代表を呼び出して聞くと、課題は①災害対策本部の名称、大島災害対策本部か、三原山噴火対策本部か ②元号か西暦か(昭和天皇ご不例) ③臨時閣議招集か 持ち回り閣議かだというのだ。後藤田さんに報告すると大変怒り、中曽根総理に「これでは一万三〇〇〇人の命が危ない。内閣でやりましょう」と進言し、中曽根総理は「私が全責任をもつ。佐々保安室長、やれ」と明確な命令が下った。施行されたばかりの安全保障会議設置法適用第一号だった。
 しかし私には法律上の指揮権はない。
 内閣法第十二条の「官房長官調整権」を借りるしかない。それも消極的調整役であって会議招集権のような積極的調整権はない。そこで後藤田官房長官の「権威」を借りることにした。
 平沢秘書官と手分けして「官邸に中曽根・後藤田、心配して待機中。ちなみに他省庁の警備担当局長は検定に向かいつつあり」とディスインフォメーションを流し、十九省庁の関係局長を後藤田官房長室に集めた。そして、後藤田長官の号令一下、南極に向かっていた巡視船「しらせ」以下海上自衛隊、海上保安庁、されには夏季のみ渡航の東海汽船のフェリーなど、計約四十隻の救出艦船団を組織し、まだ出動要請を出し忘れていた鈴木俊一東京都知事に出動要請を出すよう示唆した。国土庁が会議を終えた頃、すでに救援の艦船団は大島に向かい、午後四時までに一万三〇〇〇人の被災者全員を東京に向け、脱出させたのだった。
 私は翌日以降関係省庁の指弾を浴び、国会では公明党議員から職権乱用、他省庁の権限干犯だと吊し上げをくらったが、中曽根総理、後藤田官房長官は、全く問題ないと高姿勢だった。
 これが本当の「政治主導」というものである。
 この保安室長吊し上げも議事録がちゃんと残っているから、福山哲郎官房副長官、読むべし。
 安全保障会議は、たしかに政府意思決定機関ではなく、国防会議設置法による国防会議を廃止して制定した諮問委員会である。だが休眠機関といわれた国防会議との大きなちがいは、メンバーが一新され、官房長官と国家公安委員長が加わり、かつ、その任務は国防だけでなく、ハイジャック、テロ、特殊国際大事件、治安問題や人命にかかわる大自然災害といった国家危機管理を官房長官の指揮下で国がやることに決めたことである。


災害の規模は違えど、3月の大震災が起こったとき、民主党ではなく、もっと有能で国家危機管理の何たるかを知っている政治リーダーが為政者側に居れば、少なくとも天災が人災になった部分はなかった、もしくは少なかったはずだ。
民主党による危機管理といえば、災害時に会議をいくつも作ったことが取り沙汰されたが、それは責任をなすりつけるメンツを少しでも増やすためだけのものだった。
この佐々氏のエピソードをと比較すると、改めて民主党の政治主導もどきの幼稚さを痛感する。
昨日、佐々氏の親友である石原都知事がBSフジの番組に出演し、今後の日本への提言として「我欲の抹殺」を挙げた。その我欲の塊が官邸を占拠し続ける限り、次に起こる災害は国家の存亡を左右しかねない。
私は菅直人と運命を共にするのはまっぴらご免である。
恐らく、国民の大多数も同じだろう。



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