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私的憂国の書

民主主義を希求しつつ、日本における戦後民主主義を否定する。真の主権回復は戦後レジームの打破から生まれる。
私的憂国の書 TOP  >  2011年06月26日
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言葉と自己検閲

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現下の総理は様々な失言を重ね続けているが、彼に欠けているのは単に思慮・熟慮だけではなく、彼の市民運動家、過激派という出自が菅直人という人物の本質そのものだからである。
「俺の顔を見たくなかった法案を通せ」という暴言は、単に立法府を侮辱しただけでなく、彼の活動家としての本性が如実に表れた言質だろう。
鳩山某の「日本列島は日本人だけのものではない」という発言に至っては、語るにも及ばない。この人は無知でボケとしか解釈のしようがない。

かつて江藤淳は、「日本列島」という言葉に対して、こう書いている。

 田中角栄の「日本列島改造論」が出たおかげで、なんだか土建屋と天気予報の専門用語のようになってしまった。「日本」という国が消えてしまって、「日本列島」という国土だけが残り、それも利権と公共投資の対象にしかならないような風潮が生じたためにほかならない。


そして、国を語る上での言葉を、司馬遼太郎の人気シリーズから派生した言葉づかいに対する皮肉を交え、こう書いた。

 そのうちに、日本のことを「この国」といういい方が流行しはじめた。無論司馬遼太郎氏の『この国のかたち』が絶大な影響力を発揮したからだが、政治家諸君まで自分の国を「この国」といい出すに及んで、私は首を傾げざるを得なかった。
 諸君は自分の所属する党を「わが党」というではないか。党は「わが党」なのに、国は「この国」なのか?諸君はいったい「どの国」の政治家なのか。「この国」がいやなら「あの国」へ行って、そのまま政治家稼業が続けられるとでもいうのか。
 政治家ばかりではない。日本人一般にとって、日本はいったい「この国」といって済ませる国なのだろうか?日本国旅券ではない「どこかの国」のパスポートを持って、海外旅行が同じように楽しめるのだろうか。
 もとより司馬遼太郎氏が『この国のかたち』といったとき、日本に対して敢えて知的な距離を設定し、その「かたち」を見直そうという意図が働いていたことを否定するものではない。それは一時期の日本と日本人とにとって、どちらかといえば貴重な試みであったに違いない。しかし、その発想はむしろ静的であり、日本を「この国」といい替えるときわれわれの胸の内にうずくかすかな疼痛のようなものを、どこかで四捨五入していはしなかっただろうか。
 今問われようとしているのは、「この国」の「かたち」ではなくて、「わが国」の「姿」である。「かたち」は静的な分析の対象だが、「姿」はそれ自体が動きである。立居振舞、立ち姿、居姿、舞い姿、そのようにいつも動いているのが、「わが国」の現実のあり方ではないだろうか。

江藤淳「わが国の姿」 平成十年十一月二日


非常に興味深い分析である。
我々は、普段自らが何気なく使う言葉によって、その何気ない使い方にもかかわらず、言葉が別の意味を持つということを十分に認識していないのかもしれない。
国語力も勿論だが、言葉を発する立ち位置のようなものを喪失してはいないか。

呼称の言い替えも恐ろしいもので、「大東亜戦争」をGHQの言論統制によって使用不可にされ、「太平洋戦争」という呼称を使わざるを得なくなったことによって、先の大戦の「わが国の大義」が隠されてしまった。
言葉狩りも然り。
支那という言葉を差別用語と言うが、支那は戦前の中国大陸及びその諸国家群を表す言葉であり、何ら差別には当たらない。そこを「差別」を誇張し、メディアがそれに倣うから、「支那=差別」というコンセンサスが自ずと形成されてしまう。
これは自己検閲に等しい。

例えば「民族」や「祖国」という言葉も、最近は使われなくなった。
「民族」という言葉は、日本は単一民族国家ではないという主張から、自己検閲よろしく使われなくなったものだろう。「あちら側」の圧力があることは想像に難くない。
何故「祖国」が使われないのかというのは、不勉強でわからない。

様々な場面で、様々な自己検閲が行われている。
テレビ、新聞などのメディア、学校教科書。
このカラクリは、戦後60年以上に渡って培われてきた「言葉を提供する側」の知恵だろうから、簡単には崩せないだろう。
肝心なのは、「言葉を提供される側」である国民のメディアリテラシーを上げることだ。
「提供される言葉」の裏に潜む何らかの意図を、察知できる国民が増えれば増えるだけ、提供側は苦境に立たされる。
自己検閲を克服しない限り、日本人に日本語が帰ってこないと考える。

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